ワールドカップ惨敗の弁



 ワールドカップ、ワールドカップである。私はもちろん、「一流」のファンなので、都合のつく限り大喜びで見ている。

 日本が大健闘をして、遂に決勝トーナメントだという時に、「惨敗の弁」とは何事か、縁起でもない、という批判が聞こえてきそうであるが、これは私の予想についてである。私が特別に悲観的だったという訳ではないに違いない。むしろ「私も」と言うべきであろう。授業では、3試合で8対1、つまり得失点差−7の3敗で、予選リーグ敗退という予想を公言していた。ただでさえも、転任早々で信頼関係の築けずにいる中、これは大きな失点になったかもしれない(笑)。

 カメルーン戦は1対0で勝ったものの、試合内容はお粗末なもので、これで得失点差−7はないかな、と思いはしたが、その時点で予選リーグ突破は頭に浮かばなかった。私がスゴイと思ったのは、オランダ戦である。これは本当に強いと思った。それでも、あれだけの内容の試合が、2試合続けて出来るとは夢にも思わず、デンマーク戦は0対2で負けを予想して、テレビも見ずに寝ていた。5時半に起きてテレビを見ると、どのチャンネルも日本の勝利で沸き立っている。しかも3対1だという。恐れ入った。

 高校野球でも、甲子園で勝ち上がるチームとは、甲子園に来てからどんどん強くなるチームだということがよく言われる。今回の日本などは、その典型であろう。だからといって、私は日本がパラグアイに勝つ、などとは思っていない。が、そういう自分を信じることも出来ない。もはや、予想をする意欲はわかない。次の試合は必ず見よう、という意欲だけがある。

 まずは、そんな惨敗の弁を述べておいて、自分が受け持つ生徒の中からも、短期間の内に見違えるように成長する人物の出て来ることを期待する、などと話をずらし、ごまかして終わりにしようと思う。