しょぼい結末・・・水産高校便り(終)



 昨年春に異動して以来、ブログに「水産高校便り」と称して、水産高校とはどのような場所かという私的レポートを書き続けてきた。もともと、単なる自分の好奇心のはけ口であって、連載するつもりなどなかったし、連載したからどうというものでもないのだが、50回を超える連載になると、それが理由のない「義務の意識」を伴うようになってきた(元祖「月曜プリント」と同じである(笑!))ので、3月31日=1年を区切りとして止めようと思っていた。そんな矢先に起こったのが、今回の大地震である。

 いやぁ、まいった!!よりによって、その3月31日『河北新報』第1面に、大きな見出しで「宮城・沿岸3高校移転へ ─ 現在地再建は困難」という記事が出たが、その「3高校」には、水産高校が含まれる。記事は宮水について、次のように書いている。「宮城水産は校舎の基礎部分にひびが入り、50センチの床上浸水に見舞われた。敷地が地盤沈下したと見られ、満潮時に最大で60センチほど浸水するなど危険な状況が続いている。」また、今日の同紙は、宮水の仮移転先が石巻北高校(旧河南高校=JR石巻線鹿又駅前)に決まったことを伝えている。北高が大規模修繕中に使った仮設校舎を使うという。その後、どこに再建されるかは書いていないし、私も聞いていない。つまり、宮水は今からジプシーになりそうなのである。

 確かに、被害は大きい。基礎部分のひびには気付いていなかったが、何しろ連日の冠水で校舎への出入りもままならないし、奇跡的に津波の直接の被害を受けなかった実習場も、海水の循環装置が壊れて魚は全滅、使用不能。19tの「みさご」を始めとする実習用の船は、全て陸地に打ち上げられて破損。艇庫も大破。今の場所で、後片づけと多少の修理をして再開できる状態でないことは、容易に分かる。

 今日の午前中、別の用事で宮水海洋総合科の某教諭が我が家に来た時に、多少の話をした。現在の宮水の状況(特に毎日の冠水)を考えると、移転はやむなく、そのための仮移転も仕方がないが、北高に移れば、水産としての実習がほとんど何も出来ないだろう、それは非常に苦しい、という話になった。まあ、当たり前である。私も、実習の出来ない水産高校など考えられない。

 校内では、県の方針に従って、4月21日始業式・入学式を前提として作業することになっているが、なんだか私には実感の湧かない話である。というわけで、宮水の今後は全く不明。今後のドタバタを、またレポートすることにしよう、などと書いたのでは元も子もないので、尻切れトンボのままとりあえずはおしまい。ちゃんちゃん!