宮水では、今日から2日間、文化祭である。例年は、宮水の文化祭を「錨章祭」と呼んでいるが、今年に限っては「復興祭」と言う。今月末に、石巻北高のプレハブ校舎を撤収して、渡波にある従来の校舎に戻るのを記念し、10月20日に予定されていたものを、わざわざ今日・明日に移しての開催としたからである。とはいえ、まだ校舎は立ち入り禁止。復興祭は体育館とその前庭を利用して行われる。
実は、日程を移したことによるいろいろな問題があって、この場に経過を書くことがあまりなかった。明日は天気が余りよくないようだし、復興祭がどのようなものになるのかまだ見当を付けかねているのだが、今日(会場準備と校内発表)見ていた感じで、見る価値のあるものが二つあるので、明日の一般公開に備えて紹介しておくことにする。
1)宮水復興デパートメント・・・復旧が進んでいる石巻の良品と、全国の実業高校プロデュース製品の販売。特に、後者は珍しい!ラベルのユニークさも含めて、見ていると欲しくなる。例えば、男鹿海洋高校(秋田)の「サバ水煮缶詰」、南陵高校(熊本)の「南陵米プレミアム」、大阪農芸高校の「農芸みかん」、岐阜農林高校の「柿トマジャム(柿とトマトのジャム)」、島原農業高校(長崎)の「スープ生姜麺」、宇和島水産高校(愛媛)の「ブリ大根缶詰」、伊佐農林高校(鹿児島)の「更生之素(味噌豚缶詰)」、大垣養老高校(岐阜)の「よもぎのもち食感あんパン」、そして宮水の「干流☆スター(干物パック詰め)」といった具合である。
2)がれき御輿(みこし)・・・これは宮水の作品ではない。水産高校のある渡波地区で、復旧に携わったボランティアと地元の人々が、瓦礫を利用して作った御輿らしい。話を聞いた時、私はあまり興味をそそられなかったのだが、今日、宣伝として学校界隈の仮設住宅に生徒が御輿を担いで回り、学校に戻って体育館の真ん中に御輿を置いてから、まじまじと見てみると、これが実に面白い「アート」なのである。船の上に祠の載った御輿の原型に、国内外から来た多くのボランティアが、思い思いに自分の国のお金やら民芸品やらを貼り付け、小さな木片に字を書いて、絵馬のようにぶら下げている。この雑然と取り付けられた物が、なぜか全体として一種独特の調和を作り、全体としてみても、細部をまじまじと観察しても、エキゾチックで面白い物に仕上がっている。普段は、渡波町内の某被災倉庫に保管されているらしいので、こうして観察する機会というのはなかなかないのではあるまいか?