専門外にこそ目を向けよ!



(3月7日付学級通信より)


 昨日の馬場治先生(東京海洋大学、海洋政策学)講演会「水産業国際貢献」は、人の話を聞く態度(行儀)としては及第点だが、人の話を聞く姿勢(意識)としては失格であった。講演会の前から聞こえていた「そんなの海洋総合科の連中が聞けばいい話だ。俺たちには関係ない!」という声は、絶対に間違い。終了後のアンケートでも、「参考にならなかった」が15名、「あまり参考にならなかった」が14名、7割以上の生徒が否定的な回答をしたが、これは聞く前からの諸君の意識の反映だろうと思う。

 私が、そのように言う理由は以下の通りである。

 (1)昨日の講演には「問題を克服して成果を上げる」ということについての一般的真理(普遍性)がたくさん含まれていた。定置網の技術輸出をするに当たって、現地の事情にも配慮し、一方でそれを上手く利用しながら、課題をクリアーして事業を成功させるという話の、「定置網」という部分に「電気工事」とか「情報管理」という言葉を入れてみれば、すぐに自分たちにも関係のある話になることが分かるはずだ。

 (2)人は専門に閉じこもると、行き詰まった時に解決の道を見出すことが出来ない。自分とは一見関係の無い分野にこそ、問題解決のヒントは含まれるものである。

 (3)世の中が複雑化したことで、自分とは異なる専門を持つ人々と協力し合いながらでないと、いい仕事が出来なくなってきた。異分野の人と協力関係を造るためには、異分野に関心を持ち、知ることが大切だ。特にこのことは、馬場先生ご自身が最後に強調していたことでもあった。

 心せよ。


(裏面)3月5日付『朝日新聞』より「全国唯一の地名 垳 ガケっぷち」

平居コメント:地名・漢字についてのいろいろな事情が面白い。

3月6日付『同』より「恋文に恋して(5)梯久美子、「愛してる」と書かなくても」

平居コメント:最近の若者は手紙を書かない。年賀状さえ書かない。しかし、恋文(ラブレター)でなくても、手紙はなんともロマンあふれるコミュニケーション手段だと思うよ、私は。一度、ポストに手紙が入っている感動、手紙を待ちわびてポストの中を日々気にする心情を味わってみて欲しいと思う。