ブリの胃袋から出たイワシ



(7月10日付け学級通信より)


 先週の土曜日、網地島沖での定置網漁を見学に行った。今年最大とかいう2メートル半以上の巨大マグロ(185キロ!ただし、石巻の魚市場では1800円/キロで33万円ほどにしかならなかったそうだ。気の毒で涙が出る)が獲れたりなどして大いに盛り上がったのだが、私は早々に船酔いでダウンというお粗末。

 帰りに「お土産」として70センチを超える大きなブリをいただいた。帰宅後、さばいてみたら、胃袋の中からイワシが11匹も出てきた。1匹は半分溶けていたが、残りの10匹は呑み込んだ直後と思われる完全な状態であった。

 海の中のドラマを想像する。このブリは、前日からイワシを1匹食べただけの空腹状態であった。獲物を探してうろうろしていた時、イワシの群れに遭遇した。ブリは、それが定置網の中で、イワシも逃げられないから濃密な群れになっていることに気が付かない。この日の幸運に驚喜して、たちまち10匹を丸呑みした。すると、不意に自由を奪われ、空中に持ち上げられてしまった。しまった、と思った時にはもう遅い。人間という生き物に、尻尾をつかんで引っ張り出されると、えらの所に小刀が差し込まれるのを感じた。一瞬の痛みと共に、意識は途絶えた・・・。なかなかに不憫である。

 それはともかく、その日の午後、我が家に遊びに来た生物海洋学者に、そんな話をしたところ、「ブリのお腹から出てきたイワシの胃袋の中も調べてみると、食物連鎖を実感できるよ。顕微鏡必要になるかも知れないけど・・・。食物連鎖はどこまで追えるかな・・・?」と言われた。激しく厳しい生き物の世界が実感できる。それほど、ブリの胃袋から出てきたイワシは生々しかった。


【求人票続々到着・・・就職へ向けて】

 朝晩言っているとおり、ものすごい勢いで求人票が届いている。早くも250枚を超えた。小耳に挟んだ話によれば、今年は例年の30%増しに近いのだそうだ。諸君は、高校入試の直後に震災が発生し、混乱の中で入学し、1年半以上も不自由な仮設校舎暮らしをしてきたわけだから、ある意味(あくまでも「ある意味」である。それが貴重な経験として生きてくる日が来るかも知れないから・・・)とても「不幸な」、「かわいそうな」高校生である。それが就職のタイミングで求人急増というのは、「ごほうび」であるようにも思う。

 ただし、喜ぶのはまだ早い。「求人票が来る=宮水から採用」では決してないからだ。どんなに求人票が来ても、倍率が低くても、落ちる時は落ちる。会社は、誰でもいい、なんて絶対に考えないからね。気を抜かずに頑張ろう。

(校内手続きに関する話省略)


【比較的健全かも・・・アンケートシリーズ最終回】

 最終回は、「朝食」である。

Q1 あなたはどのくらい朝食を食べるか?

 毎日60% ほぼ毎日11.4% 時々8.6% あまり食べない8.6% 食べない11.4%

Q2 どんなものを食べるか?

 ご飯61.3% パン19.4% コンビニ6.5% その他12.9%

Q3 野菜は意識して食べるか?

 サラダなど36% 野菜ジュース3% 特に意識しない42% 食べない17%

Q4 どんな飲み物が好き?

 炭酸22% スポーツドリンク3% 水42% コーヒー・茶22%

 朝食は1日の活力源である。食べない人が20%くらいいるのは問題だが、他のクラスと比べると(←あくまでも「比べると」)なかなか健全だなぁ、と思う。特に、コンビニで買って済ます人の少なさと、水を好んで飲む人の多さは立派なものだ。だけど、やっぱり朝食はしっかり摂ろうね。


(裏面:7月1日付け『産経新聞』より、「史上最大の望遠鏡『TMT』建設へ」を引用

平居コメント:「宇宙」は、物理学においても科学技術においても、本当に究極の世界だと思う。壁は高ければ高いほど、乗り越えるのが困難であり、エキサイティングで魅力的だ。)