お粗末な私



 昨日、夕方のテレビニュースや、今朝の新聞報道にあったとおり、先週土曜日に宮水の文化祭で販売した缶詰から、大量の不良品(内圧の高まりによる缶の歪み、腐敗)が見つかり、目下、学校では販売した約400缶の回収に努めている。宮水の缶詰製造ラインは震災の時に水没し、まだ復旧していないので、食品科学類型3年の諸君が、夏に秋田県の男鹿海洋高校に行って作ってきた「サバ水煮」である。ラベルにも、宮水の名前は書かれていない。私も3個買ったが、まだ開けていなかった。

 内部にいながら、私自身がさほど多くの情報を得ているわけではないし、一職員が勝手にヘラヘラと余計なことをしゃべるわけにもいかないので、このことと私との関係だけ書いておくことにする。

 昨日の昼前、某先生が、実は文化祭で買った缶詰を家で開けたところ腐っていた、という話を食品の先生に話している場面に、たまたま私は居合わせた。第一報を目の当たりにしたわけである。近くにいた別の先生が、「缶詰も2万個に1個くらいの割合で、どうしても不良品出るらしいよ」と知ったような顔で口を挟んだ。私は、ふ〜ん、そんなもんなのか?と思い、「2万分の1に当たったわけだから、先生、今年宝くじ買ったら当たるよ!」などと、某先生を冷やかしてその場は終わった。

 「たまたま」とか「2万分の1に当たったのだから仕方ない」とかいう問題ではないのではないか?と誰が言い出したのかは知らないが、間もなく学校内が慌ただしくなってきた。そして、テレビに映った県庁記者クラブでの会見である。

 ま、腐っていれば開けた時に臭いで分かるだろうし、さほど深刻な事態ではないのではないか、と思わないでもないが、民間企業なら存続に関わる事故だろう。震災の影響で、使い慣れない他校の施設での実習を余儀なくされた先生も気の毒だが、それも言い訳にしかならないのかも知れない。ともかく、それを冗談のネタにしかできなかった自分の危機意識の低さ、危機管理能力のお粗末さには赤面するしかない。