船で関西へ行く



 23日から家族で関西へ行き、今日、帰って来た。7日間の旅行は、時間的にも金銭的にも贅沢のようだが、実質的には4泊5日で、残り2泊は船の中であった。

 新幹線が路線を延ばすたびに、鉄道がどんどん面白くなくなっていくのに加えて、3月に久しぶりで仙台〜名古屋のフェリーに乗り(→その時の記事)、今後、少なくとも名古屋から大阪にかけての旅行は、時間さえ許せばフェリーに限ると強く思ったので、時間が取れるのを幸いと、今回はフェリーに決めた。

 所要時間は22時間弱。「旅行は点」の人にとって、22時間はあまりにも長い時間だろうが、その時間そのものを楽しもうと思えば、なんとも程よい時間である。しかも、申し訳ないくらいに安い。今回は復路が料金の高いピークシーズンに当たっている上、奮発して「1等和室」というのを確保したにもかかわらず、「往復フルパック」という3食(往復で6食)付きのコースで申し込んだところ、大人2人と小学生1人(もう1人は保育所の年長組なのでオマケ扱い)で、往復78500円にしかならなかった。ちなみに、新幹線で仙台から名古屋を往復すると、指定席で95000円を超える。

 船の食事は3食とも豪勢なバイキングで、オーシャンビューの立派な風呂も付いている。音楽の生演奏も映画もあり、部屋のテレビでは子供用の映画も上映(?)されている。本当に至れり尽くせりである。幼い子供が退屈して手を焼くのではないか、それだけが心配だったが、杞憂だった。往復とも、「えっ?もう下りるの?」と文句を言っていた。私も本がよく読めた。特に往路はガラガラだったので、6歳の息子は、貸し切り同然の風呂に6回も入ったとご機嫌だった。1泊1万円に満たないコストパフォーマンス最高の温泉旅館で贅沢三昧をしているうちに、移動も完了していた、という趣である。

 フェリーには乗ったものの、もちろん車は持って行っていない。環境問題上「車は人類の敵」という信念を持っているだけでなく、いろいろな電車やバスに乗ることが、子どもたちにとっても楽しく刺激的だろうという思い、「少しでも早く」という意識がなくなり、決まった時の流れに身を委ねられるという快感、事故を起こす心配がないという気楽さ、人と接する機会が増えるという面白さ、などによっている。どうしても車がなければ済まない場所に行く時には、現地でレンタカーを借りればいいだけの話である。

 結局、以下のように動いた。

【23日】 仙台港12:50−(フェリー)

【24日】 −10:30名古屋港・・・金城ふ頭10:59−(あおなみ線)−11:22名古屋11:50−(近鉄特急)−13:11伊勢市・・・伊勢神宮・外宮−内宮・・・猿田彦神社伊勢市(泊)

【25日】 伊勢市8時−(レンタカー)−南伊勢町五ヶ所浦(祖父母の墓参)−大王崎−13:40鳥羽水族館17:00−18時伊勢市(泊)

【26日】 宇治山田8:30−(近鉄特急)−10:15鶴橋−大阪10:45−(新快速)−11:46姫路・・・姫路城ほか・・・姫路(泊)

【27日】 姫路8時−(レンタカー)−室津−赤穂岬−閑谷学校−龍野−14時半姫路15:01−(ひかり474号)−16:33名古屋16:52−(名鉄特快)−17:18犬山(泊)

【28日】 犬山−明治村10:00〜15:00−(名鉄バス)−16:30名古屋17:00−(あおなみ線)−17:24金城ふ頭・・・名古屋港19:00−(フェリー)

【29日】 −16:20(予定時刻より早い到着)仙台港 

 思ったよりもはるかに寒かったのには閉口したが、旅行期間中ずっと無風快晴に近く、天気には本当に恵まれた。おかげでいい旅行になった。

 いくつかの点について、明日以降、少し書いておこうと思う。