恐ろしき土木工事(続) 



 さほど天気が悪かったわけではないが、沖を台風が通過しているからだろう。大きな波が打ち寄せていた。波消しブロックにぶつかって盛大にしぶきを立てる様子は、見ていて気持ちがいい。

 今日は土曜日だが、我が家の下の巨大土木工事(復旧工事?)は行われている。相変わらず、ダンプカーで土を運んできては積み上げ、ならしてくという気の遠くなるような作業だ。夜、町内会の盆踊りがあった。鎌を掛けたわけでもないのに、一緒にフランクフルトを焼いていた某氏が、先日私が書いたの(→こちら)と同じこと、すなわち、「土を積み上げて固めただけの土盛りで、危なくないのかな?」と言っていた。普通はそう考えると思う。

 もうひとつ、以前からずっと気になっていることがある。

 北上川には5mあまりの堤防が作られることになっていて、その工事も進んでいる。鋼鉄製の矢板を打ち込み、土砂で埋め、堤防の基礎になると思しき杭打ちをしていた。その結果、北上川は両岸が数mずつ狭くなったように思う。工事が始まる前の状態について記憶が不確かなので、何mとは言えないのであるが、少なくとも片側3m、もしかすると10m以上狭くなっただろう。見ていて「狭くなったな」と実感するのだから相当なものだ。

 海は途方もなく広いので、海岸なら、10㎞、いや100㎞埋め立てたとしても、それによって水位が上がったりはしないだろうが、大河とは言え、北上川河口部の川幅はせいぜい200mである。そこで両岸から数mずつ狭くなれば、間違いなく水位は上がる。

 わざわざ堤防を作ろうという、それは少しでも低い方が自然との距離を近く保ち、コストも小さくて済むのに、たとえ数?でもわざわざ水位を高くした上で、それに負けない堤防を築くというのは、私の理解の範囲ではない。しかも、いくら堤防が高くなっても、水位が上がれば、後背地となる街との関係で危険は増大する。何かの間違いで洪水となれば、ダメージは大きくなるのである。

 おそらく、立ち退きを求めるのが面倒なので、堤防を築くに必要な基礎部分の幅を、川の方にせり出す形で確保しようとしたのだろうが、私にとっては、本当に不思議で危険な工事である。