まだ1年経っていない!



(4月28日付学級通信より)


 夕方、よく北上川の土手を歩いたり走ったりしている。昨年までは、必ず走っていたのだが、今年は歩く方が多い。先日の腰痛騒ぎから年齢を感じるようになったこともあるが、仙台勤務時代は毎日駅と学校の間2〜4キロを全力で歩いた上、自転車で約40mの山越えをしていたのに、宮水に転勤してきてから自家用車通勤となり、「歩く」という人間の動作の基本が疎かになった、それが体力低下の要因となっているのではないか、との思いも強いからである。

 私は以前から北上川が大好きだ。ゆったりと流れる大河の趣は、少し日本離れしているなと思う。湖の畔を散歩しているような気分にさえなり、心が広々としてくる。

 北上川は今年も実に美しい。土手に桜こそほとんど生えていないものの、今は菜の花が満開で、木々の新芽も伸び始め、それらを見ながら走ったり歩いたりするのは、なんとも幸せな気分だ。ふと、昨年はなぜ菜の花に感動した記憶がないのだろう?と思い、石巻北高校庭の仮設校舎で新学期が始まったのが5月7日だったことを思い出した。菜の花が散った後で、昨年は土手を走り始めたのだ。震災直後のドタバタが遠い過去に思える。それが、気の遠くなるようなぼんやりとした北上川の春の風景と重なり合う。


(裏面:4月23日付『朝日新聞』「地域発、企業発 けいざい最前線・数学の美 町工場が解く」を引用。私のコメントなし)