石巻の海が先生…ラボ・トーク第4回

 腰は一進一退。少し良くなりかけたと思ったら、また悪くなるの繰り返し。絶えずギシギシと痛み、それをかばうために腹筋・背筋、更には肩にまで力が入るものだから、ひどい肩こりに襲われた時と同様、気分まで悪くなってきた。
 そんな中、昨日は「ラボ・トーク・セッション」の第4回(→前回の話)。始めて1年にもならないこのイベントも、おかげさまで好評をいただき、今回は早々と満席になったところまではよかったが、なにしろインフルエンザの季節である。直前の2日間で、仕事によるものまで含めて5名がバタバタとキャンセルという波乱に見舞われた。それでも、定員+アルファの予約を受け付けていたこともあって、ほぼ定員通りの入りで会を開くことができた。
 今回のゲストは分析化学者の福島美智子氏。「石巻の海が先生」を演題に、海藻類に含まれる微量元素の測定結果と、それから見えたものについて1時間近い熱弁を振るっていただいた。先生の得意とする方法というのは放射化分析と言って、試料を原子炉のプールに浸し、中性子と結合させることで放射性物質に変化させ、それを測定するものだ。ヒジキ、昆布、わかめなどについて、それらに含まれるヒ素の量を測定し、地域や成長による特性から、加工による変化まで、いろいろとご説明下さった。
 参加者そのものの質が高いということもあるのだろうが、後から後から質問も出て、みなさんご満足だったようである。
 私は3人の主催者のうちの一人である。他のご両人がどのような意識でおられるかは知らないが、私自身は、参加者の方々を「お客様」だとは思っていない。自分の学習の場としてこんな会を開き、3人ではもったいないから広く呼びかけ、交ぜてあげている、というような感覚である。とは言え、他の2人もともかく、参加者の方々が「交ぜてもらっている」という意識で来ているとは限らないし、そもそも、みんなが満足してくれた方が、講演者も含めてお互いに楽しいに違いない。主催者としてやはり多少の責任は感じるので、講演者がいいお話をしてくださって、その場のみんながいい顔になれるかどうか、本番前にはけっこう気になるものである。だから「ご満足」には安心もし、嬉しいとも思う。
 私自身としては、海藻類に含まれる微量元素がどうこうよりは、分析の手法そのものについてのお話をしてくれた方が面白かったのではないかな?と思ったのだが、参加者同士の懇親の時間を大切にするために、講演は30分という無理なお願いをしているわけだから、おそらく、講演者自身にとっても思い通りの話はしにくい部分がある。次回登場の時に期待しよう。
 幸いにして、会の最中、腰は比較的おとなしくしていてくれた。腰と酒が関係するかどうか知らないが、せっかくの会だから、酒を控えたりもするまいと思っていたので、あまり自制せずに呑んでいた。初参加の方もほどほどにいて、会話は弾んだのだが、福島先生は引っ張りだこで、後で聞こうと思っていたことも聞けないままに終わってしまった。
 今朝、目が覚めると、腰の状態は非常に悪くなっていた。痛みの中で、質問は更に後から後から浮かんでくる。