学校の「破れ窓理論」

(10月15日付け「学年主任だより№21」より②)


 最近、教室に空席が多い。「緊張感の低下」にはそのことが大いに関係しているようだ。
 毎朝、職員室の黒板には、事務室で受けた欠席連絡が掲示される。1枚に20人分が記載可能だ。以前は、1枚の半分くらいで済んでいたのに、最近は必ず2枚。3枚という日すらあった。
 ワクチンの副反応という理由も多いが、必ずしもそればかりではない。また、副反応にしても、病気ではないのだから、基本的には無理をしてでも学校に来るべきだ。「出席停止」を権利として主張することは、「学校で学ぶ権利」を放棄することである。人間は楽な方に流れる生き物で、それを元に戻すのは難しい、という危険も常に意識していた方がいい。さてさて・・・今回も・・・

(プチ雑学)「破れ窓理論=ブロークン・ウィンドウの法則」を知っておこう
 建物の窓が割れているのを放置すると、他の窓も壊される。その家には誰も注意を払っていない、もしくは、壊されてもいい家なんだ、と受け止められるからである。小さなマイナスでも放置すると、マイナスへの抵抗感が小さくなり、マイナスは連鎖して大きくなる。そのことを上のように言う。きれいな場所にはゴミを捨てられないけれど、ゴミがたくさん落ちている場所にはポイ捨てをする人が多い。そんな例の方が分かりやすいかも・・・。

 学校ではこの理論(法則)がよく意識される。身だしなみにしても、スマホにしても、規則違反にうるさいのは「破れ窓理論」が作用することを恐れるからだ。
 欠席も同じである。理由が何であるかに関係なく、空席のある教室では「休む」ことへの心理的ハードルが下がる。
 なお、この理論は、集団生活においてだけではなく、個人の生活についても作用する。面倒だからといって何か一つ手抜きをすると、他のことについても「これくらいならいいんじゃないの」となって、他のことでも手を抜くようになる。心当たりある・・・かな?