双六池のCSには130張りくらいのテントが張られたが、あと20くらいは張れそうな気がした。公称150張りのCSなので、その通りだなとは思ったが、この日は満員、予約で埋まっているのではなかったか・・・?
水場もトイレも、徒歩3分の山小屋まで行かなければならず、雨が降れば面倒なCSだな、と思った。
雨が降らないと、逆に、雲がいつまでも残って、晴れにもならないのではないか、と不安になってくるが、幸い、夜の冷え込みは厳しかった。テントのベンチレーターから少しのぞいてみると、星がたくさん出ていた。
7月30日(日)
双六池CS4:15・・・5:07弓折岳分岐(2560m)・・・5:37鏡平山荘(2300m)5:50・・・6:56最初の沢7:05・・・7:53林道・・・8:11わさび平(1402m)8:20・・・9:13林道入り口・・・9:25新穂高温泉(観光案内所前 1090m)
帰宅の都合で、どうしても11:30発の松本行き直通バスに乗りたかったし、その前にゆっくり温泉にも入りたかったので、早めにテントをたたんだ。だいたいヘッドライトなしで歩けるようになるのが4時半頃、日の出は5時頃である。この日の登山道はたくさんの枝沢を渡るので、水が要らない。500mlの水筒(古いペットボトル)を手に持っただけで、ザックの中の水筒(同前)3リットルは空にした。これまでの朝より荷物が3㎏軽いというのは大きい。気分も軽快だ。
弓折岳分岐や鏡平(鏡池)は、槍・穂高の絶景ポイントである。残念ながら、朝日が槍ヶ岳のすぐ左から出てくるので、完全にシルエットになってしまい、細部は見えない。一方、笠ヶ岳は朝日を受ける形になるので赤く染まった。
よく整備された、いかにも北アルプスといった感じの登山道を淡々と下るだけなのだが、いかんせん、新穂高温泉を早朝に出てきた登りの登山者とたくさんすれ違い、いちいち立ち止まるので(登り優先が原則)、道がいい割にピッチが上がらない。それでも、林道に出た時には、時間的にもう大丈夫、と確信できた。わさび平からの下りは、笠ヶ岳の荒々しい東面がよく見えて、これもなかなかの絶景だった。
新穂高温泉に着いた時の、やり遂げたという成就感、安心感、解放感は非常に大きかった。1週間ぶりに入った風呂の爽快感は言うまでもない。
ところが、困ったことに、バス停を見てみると、11:30発松本行きというバスは、8月11~16日のみの運行と書かれている。どうやら、思い通りには帰宅できないらしい。結局、次のように帰って来た。
新穂高温泉11:55→(バス)→12:28平湯温泉12:55→14:23松本14:50→(あずさ38号)→17:25新宿17:34→(埼京線)→18:11大宮18:25→(やまびこ153号)→19:59仙台20:47→(仙石東北ライン)→21:46石巻
と書けば、いかにもスムーズに帰り着けたようだが、上の時刻は、あくまでも時刻表ではこうなっている、というものに過ぎない。
平湯温泉で乗り換えるつもりのバスが満席で積み残されるし(バス会社が待っていたように追加のマイクロバスを出してくれた)、松本市街に入ってから渋滞で「あずさ」に乗れるかどうかドキドキするし(しかも、最近どこの駅でも「みどりの窓口」が混んでいて=JRによるチケットレスへの誘導作戦?、切符買うのにも時間がかかるからね)、「つばさ」併結の「やまびこ」は、奥羽本線内での車両故障の影響とかで遅れるし(結局15分の遅れで済んだ)、 最後まで気をもみながらの帰宅となった。
一応「乗り鉄」の私としたことが、意外にも中央本線の松本~塩尻と岡谷~小淵沢は初めて乗った区間だった。全車指定席の「あずさ」に乗るのに、ギリギリのタイミングで切符を買ったら、窓際が確保できなかった。山間を蛇行しながら走ることもあって、窓際の人たちが、右も左もすぐにブラインドを下ろしてしまう。一度下ろしてしまうと、日が当たっていなくても上げてはくれない(=列車はただの移動手段。トンネルばかりの東北新幹線盛岡以北もリニア新幹線も苦にならない!)。なんだか景色がよく見えなかった。
新幹線から降りた時、仙台の暑さが大宮以上で驚いたけれど、仙石東北ラインの冷房が良く効いていたからか、石巻ではもっと驚いた。列車から降りた瞬間にめがねが曇ったほどだ。帰宅すると、居間のデジタル温度計は28.4℃を示していた。 山は山で大変だったが、下界は下界で大変である。(一応終わり)