ZI-PANGと「それゆけ(笑)ほやマン」

 大気の状態が不安定だとかで、強いにわか雨も心配されているが、とりあえず、今のところは気持ちのいい秋晴れが広がっている。午前中、例によって牧山に走りに行った。これまた例によって、せっかく気持ちのよい秋山なのに、人にはほとんど会わなかった。今日は3人。だが、なんと、私は初めてランナーに遭遇した。私とよく似た年齢の男性二人を、魔鬼山廃寺跡の辺りで追い越したのである。トレランの大会はどこでも盛況だと聞くのに、絶好のトレーニング場と思しき牧山で、なぜランナーに会わないのだろう?と不思議に思っていたのだ。立ち止まって会話をしたりはしなかったのだけれど、時間やコースがずれているだけで、牧山を走っている人は、私以外にもいるのかも知れない。

 そう言えば、「さよならほやマン」(→前回の記事)の上映が始まるのは、1週間後、来週の金曜日(3日)だ。監督と出演者による舞台挨拶は、11月4日(土)12:10からと決まった。本当ははずせない用事(公務)があったのだが、担当責任者にお願いをして無理矢理欠席させてもらうことにし、私はいそいそとチケットを予約した。イオンシネマ石巻の予約サイトで見てみると、ほとんど売れていない。映画は、通常わざわざ予約したりしないはずなので、前売り指定席が売れていないのは心配するに及ばないとも思うが、やはり気になる。私はあえて試写会に行かなかったけれど、庄司輝秋が変なものを作ったりはしないことは確信できる。読者の皆さん、よろしくお願いします。

 一昨日の午後、勤務先の高校(石工)は芸術鑑賞会だった。どこの学校でも同様だと思うが、石工も古典芸能、音楽、演劇の3年ローテーションだ。今年は音楽。ZI-PANGという5人組の和太鼓グループがやって来た。率いるのは、かつて「鼓童」のメンバーだった林田ひろゆき氏である。
 今や和太鼓サークルは、地域おこしを目的にするものまで含めて、全国におびただしく存在する。様々なイベントで、余興のような形で演奏されることも多いので、私も何度となく聞いたことがあった。しかし、プロの演奏は初めてである。
 5人は、体育館の後方から桶太鼓を打ち鳴らしながら派手に登場した。そして、直径が1mをはるかに超える平胴太鼓や、長胴太鼓、締太鼓、シンバル系打楽器や篠笛も取り混ぜながら演奏した。途中、生徒による体験コーナーというお決まりのメニューが20分ほど入ったりはしたが、残り70分を飽きさせることなく演奏し続ける技術と体力には舌を巻いた。
 どんな音楽でも、ライブには録音とはまったく違う魅力があるものだが、和太鼓のような音が大きく、振動によって感じ取るような楽器においては、その傾向が特別に強いと感じた。平胴太鼓は音が低すぎて、このまま続いたら少し吐き気を催しそうな気すらした。一方で、それは迫力でもある。
 本当かどうかは知らない。かつて、太鼓のようなリズム楽器に対する反応は、人間に心拍があるからだと聞いたことがある。つまり、リズムを心地よいと感じるかどうかは、リズムと心拍の一致または不一致(ずれ)によっているということだ。そんなことを思い出しながら聴いていると、妙に「生」が実感されてきた。それは正しいかも知れない。
 数千円のチケットを買って、今後、プロ集団による和太鼓演奏を聴きに行く気になるかどうかは分からないが、こうして本物を聴いてみるのはいいなぁ、と思った。役得である。