選挙についての怖い話

 今日は、午後から牧山に走りに行った。なぜ、わざわざ暑い時間帯を選んで行ったかというと、蜘蛛の巣対策なのである。気持ちのいい牧山の尾根道も、5月くらいになると、蜘蛛の巣がひどくて不愉快だという話は既に書いた(→こちら)。その後、気温の上昇と共に状況は悪化の一途をたどり、先週走りに行った時には、「もうこりごり、10月くらいまで牧山やめようかな」とさえ思った。ところが、その後、ふと気付いたのである。まだ誰も歩いていないような朝から走りに行くから悪いのだ、午後だったら、いくら牧山の山道を歩く人が少ないとは言え、既に何人かが歩いていて、蜘蛛の巣もなくなっているに違いない、と。
 これは正解だった。今日は、ついに一度も蜘蛛の巣に引っかかることなく、山道を馬蹄形に一周することができた。来週からは午後に限る。
 そうそう、記録として書き残しておこう。先週、初めて「ホンシュウジカ」と遭遇した。今までにもカモシカは何度か見ているが、ごく普通のシカを見たことはなかった。私が牧山を走るようになったのは、2017年の11月26日からだから(→その時の記事)、延々4年半以上にもわたって、その機会がなかったことになる。すぐ近くの牡鹿半島ではシカの害がひどく、車がシカとぶつかることもたびたびなので、牧山でシカを見ないというのは意外だな、と思っていたのだが、やはりいたのだ。
 零羊崎(ひつじざき)神社を過ぎて、三吉神社の前を通って栄存神社の社務所に下りる近道に入って間もなく、突然、目の前にシカが飛び出してきて、私の前を走って逃げた。あまりにも突然だったので、びっくり仰天!!10mほどで右手の藪の中にひょいと姿を消したが、おそるおそる近づいてみると、道から数m入ったところに立っていて、こちらの様子を窺っている。この時、やはりカモシカではなく、ホンシュウジカであることが確認できた。隣を通り過ぎるのは、後ろから襲われそうで気味が悪い。どうしようかと思いながら、近くの杉の木の後に姿を隠してみたら、すうーっと離れて行ってしまった。やれやれ。
 ところで、全然関係ない話、昨日の朝日新聞全国版に、仙台二高で、生徒が校内に参院選の解説ポスターを張ったところ、教員から「政治活動だ」と言われて剥がすことになった、ところが、生徒がその経緯をツイッターで発信したところ、学校が掲示を認めた、という記事が載った。
 仙台二高というのは、宮城県の偏差値トップ校で、生徒がすることに教員はさほど口出ししない学校である。その学校にして、実にお粗末なドタバタである。実物の写真も掲げられたけっこう大きな記事なのだが、記事にもあるとおり、「国政について調べてみましょう」というような内容で、特定の政党に対する支持の呼びかけというようなものでは全然ない。こんなポスターを、「政治活動だ!」などと掲示不許可にするというのは、なんだか哀しいというか、情けなくなってくる。私なんかは、逆に、二高生にして、こんな無色透明の当たり障りないポスターしか作れないのか?と思うのだが・・・。
 今や、教員がすっかり骨抜きにされているがために、校内で過激な政治活動をしても、誰も反応しない、すなわち「害」(←誰にとっての害なんだろうね?)にはならないだろうと思う。にもかかわらず、「選挙」とか「国政」とかいう言葉が含まれているだけで、さもそれが危険なことであるかのように身構え、無いものにしようとする。では、禁止しようとしたその先生は、どのようにして主権者を育てようとしているのか?
 もっと恐ろしい話を紹介しておこう。数年前、私の友人である他校の教員が、職員室で、次の選挙(種類忘れた)を話題にし、誰に投票しようかなあ、みたいな話をしていたところ、ある中堅教員が「教員って、選挙に行っていいんですか?」と真顔で尋ねてきた、というのである。私はこの話を聞いて正に「驚愕」した。開いた口がふさがらないとはこのことだ。
 かく言う私も、前任校では弁護士や選管の方を呼んだり、「学年主任だより」の裏に、選挙関係の新聞記事を貼り付けたりしていたものの、今回の参院選について、今の学校ではほぼ何もしていない。せいぜい、授業の冒頭で、教卓の脇に置いてある新聞を手に取って、「選挙だね」みたいなことをつぶやいた程度である。もうその瞬間に、生徒の表情が「何言ってんの?面倒くさい人」となってしまうため、言葉が継げないのだ。無力である。