我が家の庭にカモシカ!

 多忙を極めていて、ふと気が付くと、10日間更新していない。ご心配おかけしました。
 政治や社会の問題は、この間にも多々あったが、なんだかバカバカしいのと、今までに書いたことと同じになってしまうのとで、コメントする気にならなかった。更新が滞ったのは、多忙というだけでもないようだ。
 この間に私の身の回りで起こった最大の事件と言えば、先週の金曜日、我が家の庭にニホンカモシカが出現したということだろう。
 4月の半ばくらいから、石巻の中心にある住宅地・鰐山(日和山)にカモシカが出没している、という話はあった。妻の友人が中学校の敷地内をカモシカが走っている動画を送ってくれたのを見て、本当なんだ!と少しびっくりした。4月の20日だったか、夜の8時頃、家の外に出た息子が、「今カモシカみたいなのがいた」と言っていた。目撃したのはほんの一瞬で、すぐに隣家の方に消えたということだった。
 その後、しばらく噂を聞かなかったので、カモシカもようやく帰路を発見し、山(おそらくは牧山)に戻ったのだろう、と思っていた。
 金曜日、いつも通り5:30に起きて居間に行くと、いつも通りウッドデッキに黒猫が座っていた。どこの猫か知らないのだが、この黒猫は我が家のウッドデッキがお気に入りと見えて、1日のうちかなりの時間をそこでのんびり過ごしている。時々、わずかばかりの餌をやったりするのだが、警戒心が強く、絶対にさわらせてくれたりはしない。そのくせ、滞在時間は長い。私はよく話しかける。猫は一切反応しないのだが、一方的にいろいろなお話をするのである。
 この日も、窓を開けて、体調伺いの後、今日の天気やら予定やら(笑)を語りかけていた。あまりにも無反応なので、「ばか者」と一言言って窓を閉めた。そこへのっそりと現れたのがカモシカである。
 身体の大きさ(体高、体長)はロバくらいであるが、猫などに比べると圧倒的に大きいので、自分の家の庭、すぐ目の前に現れると少し驚く。食べ物に困っているのか、かなり痩せている。私が驚いているのを見て異変を感じた猫が、振り返ってカモシカに気付き、ぎょっとしている感じが滑稽だった。
 カモシカは、庭の草を二口、三口食べると、口に合わなかったのか、のそのそと引き返し、物置の後ろの藪に消えていった。この間、わずかに1分ほど(だったと思う)。珍しいもの大好きな私にとって、新鮮で愉快な時間だった。
 全くの偶然、昨晩の「ダーウィンが来た」は、カモシカだった。いつになく興味を持って見た。まったく知らなかったのだが、カモシカというのはずいぶん縄張り意識の強い動物らしく、群れを作ったりはしないらしい。だからこそ、縄張りの中で餌に困り、縄張りを出てさまよい始めると、自力で帰路を発見しなければならず、上手くいかないということにもなるのだろう。
 不幸にして、我が家と山(牧山だけでなく、トヤケ森山でも籠峯山でも)との間には北上川が流れている。カモシカにとって、偶然橋を渡ってしまった後で、帰るためにわざわざ橋を見付けるというのはとても難しいことなのだろう。
 それから3日。今日もカモシカ来ないかなぁ?と思いながら外を見ているのだが、いるのは黒猫だけである。