勉強するというと、苦しく、つらい、地道な作業のイメージばかりが強いのではないか?しかし、物事は、見方・考え方を変えることによって、実に様々な姿を見せる。例えば、以前、私は一浪して大学合格を決めたある卒業生から、次のような手紙をもらったことがある。
「僕は○○大学に行くことに決めたのですが、僕は「大学進学」ということについてとても悩んだ時期がありました。浪人生活が始まったばかりの春の4月頃です。僕が悩んでいたのは、「なぜ自分は大学へ行くのか」ということでした。果たして大学へ行く必要はあるのか、もっと他に、例えば専門学校とかで何か資格とか技術を身に付けた方が良いのではないか、と考えていました。その時期、僕は、高校卒業が人生の一つの分岐点であり、高3の時にもっといろんな道を探すべきだったと後悔していました。そのため志望校も決まらず、勉強にもなかなか集中できませんでした。でも、そのうち、自分で悟ったというか、わかったことがあったんです。それは、僕は自分の「人生ゲーム」の中の「高卒」の時の分岐点で、「大学進学コース」を選んでしまったんだと考えるようになったのです。だから他のコース(例えば「専門学校コース」)へ行こうとするのは、これは、何というか自分自身から逃げているというか、そう考えるようになったんです。一度選んだコースは変えられない、と思ったのです。うまく、言い表すことが出来ないけど、とにかく、僕は自分の悩みは解決したものと思うようにしました。学部、大学を決めたのはそれからでした。僕は正直言って、特に目標とかやりたいことがないんです。だから比較的広く学べる社会・人文系統の学部を受けました。大学に入ってから、それから、何か目標、やりたいことを見つけようと思います。僕は今、新しい希望に燃えています(恥ずかしいほど月並みな言葉ですが・・・)。何だかわからないけど漠然と「がんばろう」という気持ちでいるのです。」
別に大学に行くことは義務ではあるまいし、と思う一方で、うまく自分をマインドコントロールしたな、と思う。思うに、物事を楽しみに変える秘訣は、それを「ゲーム化」または「お祭り化」することだ。試験なんて得点を争うという点でゲーム(クイズ)そのものだし、クラスだけでも約40人が一斉にそれに取り組むとなれば、「お祭り」に仕立てることなど簡単だ、と私には思われる。
もう一つ、裏面に小さな新聞記事を紹介しておこう(4月13日付朝日新聞「(benglish)仕事、Enjoyしてる?」)。
これらは広く言えば、「生きる知恵」なのではあるまいか。