若者は美しい!



 今年の一高祭における大ヒットは、文句なしに、突然オリジナルの佳作を生み出した映画部であった。しかし、人間、新しいことを始めるのは新鮮なので出来る。続けることが難しいのである。「石の上にも三年」今のエネルギーで3年間作り続けることが出来れば、どんなに素晴らしい作品が出来ることだろう。今後に期待したい。

 一方、3年続けると言えば、水泳部の「ウォーターボーイズ」は3年目であった。新しい技を生み出すのにも、練習の時のモチベーションを維持するにも苦しくなってきた頃だ。

 二日目の午前中に見た時、実は、昨年よりも完成度が低いな、やはり3年目は厳しいか、と思った。そして、プールサイドで待機していた養護教諭Y先生にそう言ったところ、「平居先生、今年のウォーターボーイズは3回見ないと値打ちが分からないんですよ・・・」と言われた。仕方がないので、三日目に更に2回見に行った。そして、納得し、感心した。実に凝った作りになっていて、ストーリー性もあるし、さりげなく難しいことをやっているのが分かってくる。来年、レベルアップ(常にレベルを上げていかないと、レベルは下がっていくように見える、という恐ろしい法則がこの世には存在する)と大衆性(分かりやすさ)をどのように両立させるかは、悩みがいのある課題だろう。

 蛇足、寒い中、水泳部の諸君が躍動的に、ひたむきに、そして楽しそうに演技しているのを見ていて、「若者は素晴らしいなあ」「若さって美しいなあ」と目頭が熱くなった。図書館司書のS先生も同じことを言っていて、思わず二人で「私達はおじさん、おばさんになったということだね」と寂しく頷きあってしまった。