定期戦余話・・・恐るべし阪神ファン



 もはや先々週の話となった定期戦の時のことである。私は応援団の顧問ということで、後片付けも一切終わった球場に、生徒指導部長のS先生と共に残り、楽天の球場担当者のチェックを受けた。試合が終わった後、椅子拭きまでやってくれたOBを始めとする諸君のおかげで、甚だ良好な使用状況であると「おほめ」の言葉をいただいた。一方、一高応援団の節度ある応援態度を強調するためにではあろうが、担当者の口にしばしば登場したのが阪神ファンであった。阪神ファンの熱狂がいかに激しく、試合終了後の球場がいかにすさまじいかということを、いちいち例を挙げながら熱心に語っていた。彼にとって、迷惑であると同時に、よほど強いカルチャーショックだったのであろう。

 私は兵庫県で、その阪神ファンに囲まれて中学・高校時代を過ごした。高校時代はそうでもなかったが、中学時代は阪神タイガースへの熱狂を肌で感じることも多かった。そして、あのような脳天気な(失礼!)熱狂は、やはり関西だから生まれるのであって、東京、ましてそれ以北では絶対に生まれ得ないものだとつくづく思う。私が個人面談をしながら、諸君に、親さえ許してくれるなら、一度どこか違う文化圏で一人暮らしをしてみると勉強になると思うよ、としばしば語る所以である。