目から鱗の教採講座



 土曜日は、とある縁により、教員採用試験対策講座なるものに呼ばれ、「小論文の書き方」なるお話をしてきた。県内の小中高校で講師をしている人達が40人ほど出席していた。若い女性が多くて少しドキドキしたが、それはともかく、内職も居眠りもない教室で授業をするというのは、これほど快適で、ヤル気のかきたてられるものか、と妙な感心をしたことであった(笑)。

 終了後、何件かの質問があった。自分が教員採用試験でどうするかではなく、現在、生徒の作文指導で困っている、というようなものもあった。それが小学校低学年とかの話だと、私には答えようがない。日頃、一高生が作文が書けないとかいうと、「自分で何にも考えていない証拠だ。甘ったれたことを言わずに、とにかく粘れ」みたいな乱暴なことを言うやり方(笑)は、小学生に対しては無力なのである。すると、小学校で講師をしているという他の参加者が、私はこうしている、みたいな話をしてくれるのだが、私にとっても正に目から鱗。驚くべき工夫の数々でびっくりしてしまった。指導などというのは、相手が変ればやり方も変るのは当然なので、一高での私のやり方があながち悪いとも言えないが、一方、自分が教員として十分な工夫と努力をしているのか、ということについては大いに反省を迫られ、冷や汗をかいたことであった。

 「講師」として行ってはみたものの、私こそがいい勉強をさせてもらったなぁ、と思いつつ、彼らの無事合格を祈ったことであった。