原爆正当化論の是非



(裏面:7月5日朝日新聞「根強い「原爆正当化論」」三浦俊章筆引用)

「原爆正当化」とはケシカラン、と直ちに思うのは感情的に過ぎると私は思う。この問題の難しさは、原爆での死者が○十万人と事実として存在するのに対し、原爆を投下しなかったらと言うときの死者数は全て空想である、という点にある。そのような前提の違いを自覚した上で、死者の多少と是非を論ずることは、他の歴史に関する「if」の議論とさして違わず、原爆だけを問題とするには当たらない。しかし、原爆正当化論は、私としても問題だと思う。被害者感情を逆撫でするから、というのではない。それに、将来へ向けて核武装容認、核兵器使用肯定を目指す気配を感じるからだ。