登山禁止の我が身



 週末、山岳部の新人大会に行った。私は、病気療養中の身の上、しかも大会は学校単位の行動ではない(つまり顧問が自分の学校を面倒見るわけではない)。そこで、長年勤めてきた女子隊係の職を泣く泣く返上し、麓の温泉宿で、お金の勘定その他の下界業務に従事することになった。手元の無線機には、刻一刻、登山隊から状況報告が入る。なまじコースをよく知っているだけに、登山隊の様子や風景が鮮明に想像される。折しも快晴に近い好天。正直なところ、普段、特に部活(仕事)で山に登る時は、楽しいなどと思っているわけではない。しかし、こうして山に登ることを禁じられてしまうと、山に登っている人々が何とも羨ましく感じられてくる。先週、ミャンマーに関連して、民主主義とか言論の自由のありがたさということを書いたが、それと同様、健康にしても、行動の自由にしても、失われるとそのありがたさが身にしみるものである。