ヤル気を出す方法



 勉強を始めとして、何をする時でも「ヤル気」があればぐんぐん伸びる、というのはだいたい分かり切った話である。普通、人が困るのは、やらなければならないことが分かっていても、ヤル気にならないからであろう。では、そういう場合、ヤル気を起こすにはどうしたらよいのであろうか。

 まず、ヤル気にならないのは、やらなければならないことが分かっているつもりでも、実際には分かっていないのだ、と思う。しかし、困っている人には、こんな答えでは困るであろう。

 個人面談の際、某君が、「ヤル気を出すのも自分の気持ちにかかっている」と某所で言われたという話をしていた。「ヤル気を出すのも自分のヤル気」なら「ヤル気を出そうというヤル気を出すのも、ヤル気を出そうというヤル気を出そうという自分のヤル気だ」という変な話になり、これはどこまでも続いていく下手な落語のような話である。しかし、私は、それは真実だと思う。ヤル気が自分の内側から自分を支えるものである以上、外側から注入することは出来ない。ストレートに「ヤル気を出そう」と自分を励まし、叱るだけではなく、自分の心との間にいろいろな駆け引きは必要になるだろうが、この最も根源的で重要な部分で人の力はアテには出来ない、と同時に、自分の意志の力でどうにかし得ると信じることこそが大切だと思う。信じるために「根拠」はいらない。ただそう信じるのだ。