堀川の奇跡



(裏面:5月26日付読売新聞「高校グラフィティー 京都府洛北高校・市立堀川高校」引用)

 「堀川の奇跡」は一高教師陣でもつとに有名。実際に視察に行ってその魅力に取り付かれたとか、昨年、堀川高校の校長が二女高に来て話をした時に聞きに行ってファンになったとかいう話もある。単に国公立大学への合格者が大幅に増えたということではない。記事の校長の話にもある通り、受験と直接関係するとは見えない「教養」をとても大切にしていて、私としても素晴らしいと思う。

 ただし、ここには書かれていないので、ややもすると、やり方と努力だけでこんなにすごいことが出来ると思ってしまうが、それは大きな間違い。京都市堀川高校をモデル校として、「公」として許されないと思うほど手厚く不公平な予算措置を講じているのである。教員数なんて、特に五教科あたりは法定(一高はこの通り)の1.5倍近くになっているはずだ。教員数を1増やすことが至難の状況下で、これは正に「堀川の奇跡」である(笑)。それだけの条件が整えばどこでも誰でも出来る、というものでもないが、そうでなければ大学のゼミ並みの授業なんて出来る訳もない。そこに触れないこの記事ズルイよ。

 教育には金がかかる。金で全ては解決しないけれど、金(中途半端ではダメで、教員数を増やせる額、つまりは教員数)で解決できることはやはり大きい。私は特定の学校にだけ投資するのは反対だ。誰でもこんなに手厚い教育が受けられるだけの懐の深い社会になって欲しい。