サンドイッチショック



 県総体ご苦労様。私は県総体とは関係なく、山岳部の生徒諸君と船形山に行っていた。1年生2名ということで、総体の参加資格がない。私は、大会役員として行く要請を受けていたのであるが、せっかくの授業のない土日に、自分の所の部員を放っておいて、他校の生徒の世話でもあるまいと、断って出掛けたのである。幸い天候にも恵まれ、コシアブラ(山菜)も沢山採れ、なかなか結構な山行であった。

 ところで、山岳部では、大人(顧問・コーチ)が生徒の安全に最大限の配慮をする一方で、生徒は食事の準備等することになっている(当たり前)。前日の最終ミーティングでメニューを尋ねたところ、1日目の夜は青椒肉糸、2日目の朝はサンドイッチとのことであった。いちいち具材の確認まではしない。

 さて2日目、生徒が取り出した食材はパン、レタス、ハム、チーズ、そしてケチャップであった。なぜマヨネーズではなくてケチャップなんだろう?一瞬驚いて尋ねてみると、逆に「えっ?どうしてマヨネーズですか?」と問い返された。違和感を持ちつつ食べてみて合点がいった。彼らにとってのサンドイッチとは、ハンバーガーの味なのである。

 コンビニなどで見てみても、ケチャップ入りのサンドイッチは存在しないから、彼らのサンドイッチが市民権を得ているとは到底思えないが、もしかすると、1年後、3年後にはケチャップ仕立てのサンドイッチも登場するかも知れない。文化の内容はこうして変化してゆくのだ、という新鮮な驚きが最も印象に残ったという不思議な山行でもあった。