受動態と能動態



 山岳部のOB会から、会報に現役生の文章を載せたいという依頼があり、先週末がその締め切りであった。木曜日に生徒からB5で4枚という作文が、まずは私宛提出された。なかなか立派な作文だったのだが、ひとつ、とても気になる表現上の特徴があったので、ここは直した方がいいのではないか、と言った。それは受動態の多さである。例えば、「合宿が終わって数日後、私達は召集された」「Gさんはトップを任されすいすいと登っていった」等々。次の山行のために集まることはどうしても必要で、ただ私にスケジュールを少し合わせてもらったのが、どうして「召集された」になるのかなぁ?確かに、コーチGさんは、Mヘッドコーチからトップを任されたのだが、「Gさんはトップに立って」で何も問題ないよなぁ・・・。後者なんか、これだけではあまり問題にならないが、文章全体の受動態の多さを考えるといかにも意味ありげだ。

 これは現役山岳部員の、若しくは今の高校生の生きる姿勢や思考パターンの反映ではないのだろうか?どうもその後、このことが私の頭から離れない。