『アンネの日記』



(1月13日付『河北新報』ミーブ・ヒース氏の訃報引用 氏はアンネ・フランク一家の非ユダヤ人協力者で、『アンネの日記』を伝えるのに一役買った人)

 高校生で『アンネの日記』を知らない人は、まさかいないだろう。しかし、アンネ・フランク強制収容所で死んでしまったのに、なぜその日記は生き残ったのか、となると、決して誰でも知っているという訳にはいくまい。かく言う私も、この記事を見つけてから、一寸面白そうだと思ってあれこれ調べ、初めてそのいきさつを知ったのである。

 出版された本や発表された芸術作品のごく一部が、多くの人々の批判に耐え、やがて「古典」としての地位を得るというのは有名な話であるが、『アンネの日記』のように、偶然の人間関係によって生き残り、やがて日の目を見て「古典」への道を歩む、ということもある。そんなことに対して多少の感慨を抱いた。