月山



 先週末は、久しぶりで一高の山岳部につき合い、月山に行っていた(姥沢→月山→仏生池小屋→8合目→仏生池小屋・泊→月山→姥が岳→湯殿山奥宮→湯殿山ホテル)。大気の状態がいささか不安定で、時折聞こえる雷鳴にびくびくしながらではあったが、いろいろ運にも恵まれて、無事下山することが出来た。

 月山に行ったのは20年ぶりくらいである。白装束の信仰登山者が減って、普通の登山者がむやみに増えたことや、頂上の山小屋がいささかオシャレになったことぐらいが変化した点であって、あとはやはり「月山」であった。

花が最も美しい季節かと期待して行った。確かに美しかったが、量としてはこんなものかな?という感じだった。引率者でありながら、なんとなく「しょせん月山」という意識があり、あまりまじめに予習(確認)していかなかったところ、飲料水の確保に困ることになってしまった。9合目の仏生池小屋でも、8合目のレストランでも飲用水が手に入らず(そこにあった水で何ともないのだろうけど・・・)、情けなくも、生徒の予備水に頼ることになってしまった。

 今回の収穫は二つ。一つは、時間に余裕があったので、金姥分岐から寄り道した「姥が岳」(初めて登った!!)が天上の楽園であったこと。月山はもとより、朝日連峰鳥海山鶴岡市、月山ダムと眺望もすばらしい上、ニッコウキスゲを始めとして、花の量が豊かだった。もう一つは、湯殿山の大鳥居から湯殿山ホテルまでの山道。ここは車道が自動車専用の有料道路になっていて、「歩行禁止」となっている。2万5千分の1地形図には歩行者用の登山道が載っておらず、山岳地図にだけは書いてある。あるとしても、自動車道路に平行して付けられた遊歩道のようなものだろうと思っていたが、行ってみると、旧六十里越街道の名残りらしい本格的な、趣深い山道であった。湯殿山の奥宮に行くのなら、こちらの道こそがよく似合う。

暑い二日間だった。下山したら梅雨が明けていた。