青麻山と秋の里



 今日は、一高山岳部に付き添って青麻山(あおそやま 799.9m)に行っていた。ところが、たった二人しかいない部員の片方は、寝坊で欠席というお粗末。まあ、部活だと思わずに、趣味の日曜登山と思えば気にならないのだけど・・・。

青麻山に登るのは、いつからぶりか分からないほど久しぶりであった。天気は上々。バスを下り、宮中学校から歩き始める。そこには、実に穏やかで美しい日本の田舎の風景が広がっていた。マイブームになっている原田泰治の絵の世界のようだ。まだ実を残している柿の木、柚の木。既に収穫した柿を干してある大規模な柿すだれ。「実」というのは本当に心豊かな思いを味わわせてくれるものだし、「里の秋」を感じさせてくれるものである。

 バス停から約1時間半の車道歩きの後、電波中継所からいよいよ山道に入る。木の葉の落ちた美しい、それでいて急な山道を汗をかきかき登り切ると頂上であった。もっとも、青麻山という山は、西東から見ると頂上が一つの独立峰だが、南北から見ると双耳峰(フタコブラクダ)になっている。私達はそれら二つのピークをひとまとめに「青麻山」と呼んでいるが、厳密には、東側が「青麻山」、西側は「あけら山」と言う。「青麻山」に三角点はあるが、実は「あけら山」の方が10mばかり高い。我々は、青麻山頂上を通過し、あけら山を目指した。

青麻山から20分、昼前にあけら山に着いた。この時期にしては気温がひどく高い上、風がないので、まるで9月の山登りのように汗をかいたが、驚いたことに、青麻山〜あけら山には、いつ降ったものか、雪が少し残っていた。

青麻山に一度戻った後、来た時の北側にある別のルートを下りる。往路と同様、明瞭で気持ちの良い山道だ。途中、「Deer Farm」や「乗馬クラブ」を見つけて驚いたりしつつ、無事下山。3時前には蔵王町役場に着いて、高速バスで帰って来た。

 ところで、「青麻山」もともかく、「あけら山」という名前には、一体どのようないわれがあるのだろう? 何か特別な意味がありそうである。平凡な、気持ちの良い12月の日曜日であったが、そんな疑問だけが尾を引いている。