「On time」と「Off time」



(第2次月曜プリントから補筆して転載)

 連日、制服とか頭髪とかについての話をウザイと思っている人も多いであろう。私も昨春宮水に来る前は、16年間にわたって制服のない学校にいたので、面倒なこと、という思いも強い。一方、宮水生には、自分の周りに、自分の価値観の通用しない広い世界があるということを知って欲しいという思いもあり、諸君が今後インターンシップだ就職だという時にはやはり必要だという思いもあり、そして何よりも、だらしない制服の着こなしは、私自身の美意識に反するためにただただ不愉快だという思いもあって、やむを得ずビシビシやるのである。

 ところで、今年も行われるのかどうか知らないが、昨年はこの時期、1年生諸君を対象として「制服着こなし教室」というものが開かれた。制服メーカーの人が来て、学年集会形式で行われたのだが、なかなかいい話をしてくれて、私自身としても勉強になったので、よく覚えている。

 それは、制服をきちんと着られるかどうかは、「On time」と「Off time」の区別ができるかどうかの問題だ、ということである。それらが正しい英語表現かどうかは不明であるが、意味するところは分かる。「On time」とは勤務時間中、或いは公的な場での活動中、「Off time」とは休暇中、または私的な時間ということだろう。つまり、公的な場にはそれなりの身なりと活動があり、私的な場にはやはりそれなりの身なりと活動とがある。その判断、使い分けができないのは未熟であり、ガキだ、制服をどう着るかというのは、それができているかどうかのバロメーターになる、ということだ。

 もちろん、この考え方は制服に限らず、あらゆる場面で用いることができる。諸君が学校にいる時間は、間違いなく「On time」だ。今の自分の行動の一つ一つが、それにふさわしいものであるかどうか、点検してみよう。