いたずらは自分の首を絞める



 今週は、月曜日がまれに見る大暴風雨で、登校早々に学校打ち切りとなったので、我々職員は一日中勤務していたとは言え、やはりなんとなくのんびり出来た気がする。

 暴風雨は本当にすさまじかった。強力な台風2号が、あっという間に温帯低気圧に変わったと報道されていたので、こちらが油断していたのも確かだが、風雨の激しさは油断云々の問題ではない。この日、石巻の最大瞬間風速は、5月としては史上最高の34.5mを記録した。「5月としては」という限定をはずしても、これほどの風は記憶にない。

 現在の石巻に特異な問題は、地盤沈下による冠水である。学校には、何人もの生徒から、冠水がひどくて家から出られないという電話が入った。水産高校は石巻北高校の敷地に建つプレハブの仮設校舎である。窓や壁から大量に雨が漏れてきて、風雨をまともに受けた東側を中心に水浸しになった。校舎の隣にある小さな(5mくらい)ヒバの木が根っこごと倒れ、市内では電信柱も倒れた。我が家では竹で組んである生け垣が破壊され、根ごと浮き上がったレッドロビンが道路に倒れかかった。荒れ狂う外の景色を見ながら、ガレキが散乱している場所では、それが飛ばされてけっこう危ないだろうなぁ、などと思っていたのであるが、幸いにして、そういうことが実際にあったという話は結局聞かなかった。

 同じ5月30日、『中日新聞』の第9面「高校生ウィークリー」というところに、「被災した宮城県水産高」の特集が載った。それが今日届いた。何かの縁で、私が取材に応じたので、一応私も登場するが、なにしろ『中日新聞』なので、これを読む大抵の人は目にできない(『中日新聞』のホームページを探しても見当たらない)。「船舶の運航シミュレーター」が「被災を免れた設備」であるのは間違いだが、基本的に新聞記事の割には(!?)正確で良心的な記事である。


(以下、6月2日付第2次月曜プリントから補筆転載)

 先週金曜日の夕方、明らかに宮水生からと思われる無記名のメールが届いた。見れば一言「おっぱい」と書いてある。幼稚でバカバカしいとも思ったが、不愉快でもあった。

 私は最近、何かにつけて「プライバシー」という言葉を振りかざして、個人情報を隠したがる風潮があるのをまずいと思っている。それは人々の自分勝手・無責任を助長しているような気がするのだ。だから、自分自身に関することは、できるだけオープンにするようにしている。少なくとも、自分が担任しているクラスでは、携帯電話の番号・アドレスに至るまで教えてあるし、ブログも実名で公開している。それは、諸君にとっても便利であるはずだ。幸いにして、今まで(昨年度以前も含む)は生徒諸君の良識に支えられて、特に何の問題も発生していない。

 しかし、今回のようなメールがたびたび来るようになると、やはり公開はためらうようになるだろう。その結果、諸君は不便を感じる場面が出てくるだろう。そう、これは「自分で自分の首を絞める」行為なのだ。しかも、不便を感じるのは、いたずらメールを送った本人だけではなく、全員である。にもかかわらず、送信者は何も責任を問われない。名前を書かないというのは常に卑劣だ。

 どうか、このような問題で、今後私が宮水の諸君に幻滅を感じずに済みますように・・・。