イージス艦を見に行く



(2月21日付学級通信より)


 相変わらず寒い週末だった。そんな中、日曜日は、家族で自衛隊イージス艦「ちょうかい」を見学に行った。誰でも見に行けるというものではなく、特別に許可された人だけが行けるという貴重な機会であった。

 確かに、「ちょうかい」は、仙台港の一番隅っこの人目に全然付かない所に停泊し、その1キロ以上手前で自衛官が検問を設け、来場者のチェックをしているという仰々しいものだった。なぜ、私にこんなチャンスが生まれたかというと、「水産高校」の教員だからである。案内が水産高校に来たのは約10日前。軍隊は大嫌いだが、珍しいもの、特に科学技術は大好きという私は、「それはそれ、これはこれ」と、大喜びですぐに申し込んだ。

 見に行った「ちょうかい」は7250トン。写真で見たことはあったが、ブリッジ以外にひとつも窓がなく、まるで鎧甲のようないかめしい格好をしていた。圧倒的な重量感だ。自分で勝手に歩き回ることは出来ず、士官の後を付いて歩いて、艦内を案内してもらう。もちろん、イージス艦の心臓部とも言える、レーダー監視室、戦闘指揮所といった所や、乗組員の生活スペースなどは見せてくれず、後から思えば、むしろ見せてもらえた場所などごくわずかなのだが、たくさんの質問をし、案内役の士官がそれに親切丁寧に答えてくれたので、とても充実した1時間余だった。

 国語科の教員である私が、たまたま水産高校の教員だというだけの理由で、珍しい物を見るチャンスが与えられるというのはありがたい。水産高校は面白い!!


(おまけ)私たちを案内してくれた士官を、やはり軍隊嫌いな私の妻が「格好いい!惚れた!」と言っていた。私の目から見ても、軍人というイメージからはほど遠い、外交官でもやればいいのにと思うような、挙措動作が美しく知的な非常に好感の持てる紳士であった。妻は、艦の内外で誘導や案内をしている他の自衛官についても、「格好いい!!」を連発していた。そして、「結局、あの人たち姿勢がいいんだよね」と理由を分析していた。確かに、寒い中、コートも着ずに立っている人も多いのに、みんな背筋や手先がしゃきっと伸びているのである。制服をだらしなく着ている人などいないというのは、言うまでもない。姿勢や服装で人の印象は大きく変わる。