Newspaper In Education



(4月23日付学級通信裏面 4月6日付『朝日新聞』より「春の新聞週間」の記事引用)


平居コメント(大幅に補筆): 宮水は今年から2年間、「NIE(Newspaper in education 教育に新聞を!)」の研究指定校になった。私が手を挙げたのである。余計な仕事を増やすのが大嫌いな私があえて手を挙げたのは、今学校で購読している以外の新聞がタダでとれるというのが重要な理由なのだが、自分自身が前々から授業等における新聞活用の必要性を感じていた上、おそらくは国語科教諭だからという理由で文書が1枚回ってきただけで、管理職から「やれ」とも言われたわけでもなく、県教委によるパフォーマンスの臭いもなく、主催する「宮城県NIE委員会」なるものが、役所ではなく新聞社中心の組織らしいということによっている。

 2月24日に、河北新報社で行われた宮城県NIE委員会の会議に出た。いくつかの新聞社の方がお話をしたが、新聞社には、若者の活字離れや、インターネットの普及による新聞離れにたいする非常に強い危機感があることをひしひしと感じさせられた。新聞社にしてみれば、それは倒産の危機(実際、アメリカなどでは既に倒産する新聞社が出ているようだ)であるかも知れない。しかし、「新聞社の倒産=社員の生活の危機」を気にしないとしても、紙の新聞がなくなることは文化の危機として深刻な問題だ、と私は思っている。

 活字の雰囲気、インクの臭い、紙の手触りといった情緒的なものも大切だし、自分が全然興味を感じていない話題も目に入ってくるということも大切だ。じっくりと考えを深めるのにも、すぐに消えてしまうPCや携帯電話の画面より、紙の新聞の方が優れている。

 NIEの研究指定校になったことは、いささか不純な動機に基づくので、さほど特別な何かをする気はないのだが、私自身の問題意識に従い、諸君の脳を刺激するために、折に触れて昨年以上に新聞は使いたいと思う。