これは本当なのかなぁ?・・・昨日の『産経新聞』について



 昨日の産経新聞第1面に、非常に不気味な記事が出た。ことが極めて深刻であるにも関わらず、その後の反響を耳にしない。情報源は『解放軍報』ということなので、ただのうわさ話とは訳が違うように思うが、多分、テレビでも他の新聞でもあえて問題にしていないのではないだろうか?余計な心配はあおらず、変な風潮を作らないという配慮に基づくのであれば、それは正しい。

 見出しは、「中国軍『戦争準備せよ』 尖閣衝突意識指示踏み込む」である。記事はおよそ以下のようなものである。

中国人民解放軍総参謀部が、全軍に対して、2013年の任務として「戦争の準備をせよ」と指示を出していることが明らかになった。中国の主要メディアは、今年に入ってから「尖閣戦争」を想定した番組を連日のように放送している。習総書記の意向を反映している可能性が高い。一方、日本と外交交渉を通じて尖閣問題の解決を主張する学者らはほとんどメディアに呼ばれなくなり、議論の中心は、対日戦争を小規模にとどめるか、全面戦争に突入するかが焦点になりつつある。」

 ひどく切羽詰まった話で、いくら『産経新聞』とはいえ、本当かなぁ?と思う。

 しかし、中国は今、『南方週末』記事に対する圧力問題で、言論の自由を求める気運が高まっている。それは取りも直さず政府に対する批判な訳だから、政府としては批判をかわし、国民を自分たちの指導の下に結束させるために、外に敵を作るというのは常套手段である。尖閣諸島ではなく、中国の国内事情として今は危ない。

 過去の人間の歴史を見てみれば、いくら自分たちが真面目に生活していて、戦争なんか望んでいなくても、誰かが一方的に攻めてくることは、残念ながらある。

 日中関係がこれ以上悪くなれば、日本でも、単純で国粋主義的な「愛国者」が、英雄気取りで元気になる可能性がある。今の政権が「タカ派」だというのは嘘ではないだろうし、衆議院議員選挙で「第三極」とかいってもてはやされた人たちの中には、もっと危険な考えの人もいただろう。メディアは自制して国民を刺激しないようにすると共に、それでも政権としては密かに最悪を想定した準備だけはしておかなければならない。それが「現実」というものである。