進級おめでとう・・・春休みにはどこかへ行こう



(3月22日付け学級通信より)


 一昨日が春分の日で、年度も変わっていないうちから、今年前半の折り返し点を過ぎてしまった。昨日からは、既に太陽が出ている時間の方が長い。そして早くも(ようやく?)今日で2学年も終わり。昨年41名で奇跡の全員進級を果たした情報科学科65回生も、本当に残念ながら、中退者が出たりなどして、38人での修業となる。年度末の成績に関するドタバタも大変だったが、だからこそ、第2学年を終えて3学年に進めることの幸せと、その過程でお世話になった多くの方々への感謝とをしっかりと噛みしめ、来年度へ向けて新たな決意を固めたいものである。ともかく、まずは進級おめでとう!


【「本末転倒」について考える】

 火曜日に行われた臨時生徒総会は、例によって淡々平凡に終わるのかと思ったら、最後に少し面白いやりとりがあった。それはもちろん、会長S君による夏服ポロシャツ改善(変更)へ向けての問いかけである。

 夏服のポロシャツを変更して欲しいという要求は、私が耳にする範囲で考えても、確かに生徒の多くが胸に抱いているものなのだろう、と思う。要求を総会で確認し、学校(先生)と交渉するというのは、生徒の要求を学校のシステムに反映させるための正当で重要な方法だ。S君が、今後どのように活動を展開してゆくのか、楽しみに見ていたいと思う。

 ところで、その動きに対して、生徒指導部長のT先生から、「君たちは今の服装規定をちゃんと守っているのか?それを守らずに制服の変更を求めるのは本末転倒だ」という別の問いかけが行われた。

 確かに、破ることで、規則を変更に持ち込もうという方法はフェアではないし、規則を作った側からすれば、生徒がそれを破っているうちは、まず守らせるようにエネルギーを費やすべきで、変更の交渉になど応じる必要はないということになってしまう。だから、規則を破りながらの変更要求を、「本末転倒」と言うかどうかは別として、なかなか可能性の薄いことと言わざるを得ない。私としては、諸君が服装規定(頭髪も含む)を守った上で、ぜひ要求を実現させられるよう期待したい。

 なお、「本末転倒」と言えば、学校生活における最大の「本末転倒」は、勉強をせずに、その他のことにエネルギーを費やすこと、である。勉強にはいい加減な姿勢を取りながら、ポロシャツを始めとして、学校生活の様々なことに文句だけは言う。これこそが「本末転倒」だ。もちろん、服装以外のことについても同様だ。心せよ。


【今年度を振り返って・・・】

 火曜日、短時間でではあったが、「振り返りシート」を書いてもらった。各自の尺度による絶対評価なので、データにどれだけの意味があるかは分からん。

 (データ省略)

 勉強よりもその他の分野で頑張った人が多いことは、前述の「本末転倒」の話を思い出しながら考えて欲しい所だ。諸君の学年末評点の平均が3.4なので、その数字と、諸君の勉学についての自己採点の平均がぴったりと一致したのはびっくり仰天の巻、である。さすがは実科の授業が苦手なE2だ。印象に残った授業ベスト3は、なんと普通科目が独占した。実業高校でこれは本当に珍しいのではないか?いや、これらの科目がきつくて印象に残った、ということか・・・?行事についても、マラソン大会がベスト3にランクインは珍しい。圧倒的な強さでクラス総合優勝を飾ったことでもあるし、これは充実感、満足感の表れなのだろう・・・ね?


(裏面:3月9日付け『朝日新聞』土曜版beより、金子由紀子「お金のミカタ〜お金がなくても楽しい旅はできる」を引用

平居コメント:春休みに入れば、生徒諸君は、少しは時間に余裕が生まれるはず。どこかに行ってみては・・・?私も作者と同意見で、ゼロでは無理かも知れないけれど、かなり少額でも、相当心豊かな旅は出来ると思っている。「お金をかけない方が恵まれる」のは「人との出会い」だけではない。かく言う私は貧乏旅行のプロである。海外なら、1日500円か1000円の予算でずいぶん歩いた。今は、さすがにそんな旅行をする気にはならなくなっているけれども、それによって逆に、使う金額によって見える世界は全く違っていて、1日1000円には1000円なりの、20000円には20000円なりの世界があることが分かってきた。貧乏旅行は若者の特権である。たとえ日帰りでも、誰かから与えられたわけではないオリジナルな旅行は、間違いなくクリエイティブだ。きっと諸君を飛躍的に成長させるだろう。)