明日から石巻市長選挙・・・巨大防潮堤はなぜ争点にならないのか?



 明日から、石巻市市長選挙が始まる。この問題山積の石巻で、あえて火中の栗を拾う覚悟を持つ人が4人もいるというのは驚きだが、なんだかパッとしないなあ、と思う。今の石巻で、震災からの速やかな復旧・復興を訴えるのは当たり前の話だ。問題は、どのようにそれを実現するのか、最終的にどのような街にするのかというビジョンであって、その点についてはひどく分かりにくい。

 私が争点にして欲しかったのは、巨大防潮堤を作るかどうか、という点だ。今年の2月9日に書いたとおり、私は巨大防潮堤を作ることに賛成している人に会ったことがない(更に参考として2011年11月17日記事)。美しい海や川があってこそこの地に愛着がわき、愛着がわいてこそ「故郷」である。何十年か何百年かに一度の津波、しかも、その脅威が分かったのなら、危ない場所には家を建てなければいいだけのことだ。海岸で遊んでいて、何の前触れもなく、逃げる間もなく津波に呑まれるなどという可能性は、街を歩いていて隕石がぶつかる可能性よりはほんの少し高い、といった程度のものだろう。一方、コンクリートの壁は1年365日、24時間、私たちの目の前に立ちはだかる。維持管理の負担も永久だ。

 気仙沼では、この問題に関してなかなかに熱い議論が行われている。市民は昨年「防潮堤を勉強する会」を立ち上げ、市の公式ホームページにも載り、既に14回の勉強会が行われた。なぜ、石巻ではこのことが問題にならないのか?私が現職のままで市長選に立候補できるのならしたかも知れないし、「防潮堤は作らない」いやせめて「再検討する」くらいの公約を掲げる立候補者がいれば、多少の(←私は公務員で、制約大きいからね)選挙運動くらい協力してもいいのに、と思っているのだが・・・