一流は謙虚、自己満足は美しい



(6月6日付け学級通信より)


 6月になった。昔の言い方だと「水無月」である。間もなく梅雨に入ろうかというのに「水が無い月」というのは妙だが、数ある説の中に、「無」という漢字を当てたから誤解を招くのであって、「無」はもともと「の」、つまり「水無月」とは「水の月」だったというものがある。ただし、「水の月」とは梅雨と無関係で、水田に水が張られていることについて言うらしい。5月半ばくらいまでに田植えが終わり、稲がまだ伸びていないこの時期、確かに、水田は池のようだ。水で潤った農村の風景を見ていると、日本って美しいなぁ、と思う。

 ところで、まったく違う話、一昨日はサッカー・ワールドカップアジア最終予選が行われた。見た人も多いだろう。かろうじて引き分けとなり、出場決定第1号となったのはとりあえずめでたいが、試合を見ていて、日本は強い!なんて全然思わなかった。ワールドカップで世界の選りすぐりの強豪と勝負できるとは、とても思えない。あと1年でどれだけのレベルアップができるのか、楽しみに見ていることにしよう。

 一方、私が「いいなぁ」と思ったのは、試合後の長友選手へのインタビューだ。彼は、「ユニフォームを洗濯してくれた人、マッサージをしてくれた人、そして一生懸命に応援してくれるサポーターがいて、自分たちが頑張れる。そのことに感謝したい」というようなことを語っていた。強い人間ほど優しく、一流の人間ほど基本を大切にし、謙虚である、というのは、私もよく言うことだけど、本当にそうだな、と改めて思った。


【県総体ごくろうさん・・・次は第1期考査だ!!】

 どの部も思い通りの結果が残せず、悔しい思いをしたらしい。あと一歩の壁がどうしようもなく高かった、というような話を、職員室で何回か耳にした。他の人が何もしていない中で自分だけ頑張るのではなく、誰もが必死で頑張っている時に自分だけが抜け出すのは、本当に難しい。これからの人生、あらゆる場面でそういうことが続くわけだから、いい勉強をした、とうことだ。昨日もHRで言ったとおり、途中で部活を辞めてしまった人も少なくない中、最後まで継続したことは、それだけで十分に敬意を払うだけの価値がある。そのことに自信を持って欲しい。

 さて、大切なのは頭の切り替えだ。第1期考査は6月18日から始まる。就職・進学に直結する重要な考査でもある。しっかり頑張ろう。

〈余談〉

 私は、役員として「登山」の大会に行っていた。登山は一応競技になっているが、それは、本来の登山の姿から言えば邪道である。本来の登山とは、自然や自分との勝負であり、自己満足を追求するスポーツである。山に関係する人々は、そのことを重々承知していながら、何かの事情でむりやり「発明」された競技登山に取り組んでいるのである。

 よく考えてみると、「自然」はともかく、「自分」との勝負とか、「自己満足」というのは、全てのスポーツ、いや、全ての活動に共通するものかも知れない。「自己満足」と言えば、なんだか身勝手な、若しくは寂しく、哀しいもののように感じたりもするけれど、決してそんなことはない。人から評価してもらうためにするのではない、という意味である。つまり、「自己満足」は純粋ひたむきであることの結果として実現することなのだ。高校生のみならず、山に登る人々を見ていると、そんなことを改めて思う。


【ハワイにいるぞ、N3の宮城丸】

 4月25日に石巻工業港を出た宮城丸は、6月3日にホノルルに入港した。現在、N3の諸君は、ハワイで束の間の休日をenjoyしている。

 私たち教員は、ほとんど毎日のように、宮城丸からメールで送られてくる写真を見ることができるのだが、みんな元気に、この特殊な体験を楽しみ、成長しているようだ。結構なことである。残念ながら、漁は豊漁とは言えず、おそらく1トン以上獲れた日が1日もないという状況だったようだけど、実習の価値はそんな所にあるわけではないだろう。

 彼らは、明日ホノルルを出港し、諸君の考査最終日である6月21日に石巻に帰ってくる。


他の記事は省略


(裏面:6月1日付け『読売新聞』より、スキャナー「使える英語、小学校から」を引用。

平居コメント:私が見ても、日本人の外国語下手は際立っている。だけど、それ以前に、日本語力は大丈夫なのかなぁ?)