おひさま頑張れ!



 以前から考えていたことなのだが、年末、我が家もとうとう「太陽光発電システム」というものを設置した。屋根の形状の都合、設置できたのは3.5kwのものである。1月7日から発電を開始し、冬の太平洋側という地の利もあって、目下、順調に発電している。

 面白いと思うのは、室内に設置されたモニターである。時々刻々、我が家でどれくらいの電気を使っていて、太陽光でどれくらい発電していて、差し引きどれくらい電気を売ったり買ったりしているのか、ということが一目で分かる。

 3.5kwのシステムだというから、晴れてさえいれば3.5kw発電するのかと思っていたら、そうではなく、太陽の角度や気温によって変化し、3.5kwという限界能力を発揮するのは、あらゆる条件がそろった時だけらしい。

 このモニターのおかげで、天気とか電力使用量というものに対して、非常に敏感になったように思う。

 現在の我が家の日の出時刻は、だいたい7時である(牡鹿半島から太陽が上るので、水平線基準の新聞掲載時刻より少し遅い)。太陽光パネルは前後して発電を開始し、それを示すランプが点灯する。使用量が発電量を上回っていればオレンジ色、発電量が使用量を上回り、電気を売っている状態になれば青のランプだ。7時頃に発電を開始した時には、発電量が少ないのでオレンジ色だが、15分くらいすると、天気と使用量次第では青に変わる。時にはオレンジと青が交互につくという状態になる。我が家はみんなで太陽の応援だ。「おひさま頑張れ!!」「あっ、青になった!!」・・・。

 モニターにはいろいろな機能がついているので、発電開始以来で、どれくらいの発電をし、どれくらいの電気を売って、どれくらいの黒字になったかもたちどころに分かる。発電を開始してから今日でちょうど2週間、この間に売った電気と、自家消費したことで買う電気の量を減らせた分とで、5546円になったそうだ。1年で最も日の短い時期で、月に1万円強の黒字ということになる。今後、日はどんどん長くなるので、(控えめに考えて)年に15万円とすると、10年で150万円、それでも、システムの設置に170万円弱(補助金を引いた額)かかったので、黒字にはならない。電気の買い取り単価(今は1kwh当たり38円)は、引き下げる方向で検討されているので、120ヶ月の契約が切れた後は、月当たりの黒字は減るだろう。それでも、システムの保障期間である15年のうちには黒字になると思う。もっとも、このシステムで儲けることが目的ではない。少しでも、電気を自給するのが目的である。だから、黒字にならなかったとしても文句はないのであるが、それでも、悪い気はしない。

 不思議なのは、家中のあらゆる電化製品の電源を切り、できる限り電線を抜いてしまっても、120wくらいの電気は消費していることである。スイッチが存在しない(=オフにすることが想定されていない)24時間換気装置さえブレーカーでスイッチを切るところまでやり、冷蔵庫のサーモスタットがonになっていないことを確認しても、最後の120wを減らすことができない。その時、私に分かる範囲で、電気が消費されているのは、固定電話とネットのルーターだけである。謎だ。

ともかく、モニターで自分たちの「電気生活」をいちいち確かめながら、太陽の恵みに感謝しつつ、今まで以上の節電に努めたいものだと思う。