新しい臓器!?

(11月4日付け「学年だより№68」より①)

 先月の23日だったか、オランダで人間の鼻とのどの境目あたりに「新しい臓器」が発見されたというニュースが、世界を駆け巡った。不思議なことに新聞報道を見た記憶がないのだが、ネットであれこれ検索してみると、決してフェイクという感じではない。
 医師になるためには、本物の人体を何ヶ月もかけてミリ単位で切り刻みながら観察するという厳しい解剖実習があるし、現役の医師はあらゆる部位を手術の対象としている。だから、今になって「新しい臓器」が発見されたというのは、本当にびっくりだ。
 人間が知り尽くすには、世界はあまりにも広く、しかも見通しが利かない。そんなことを今更ながらに思わされた。ニホンオオカミはもとより、恐竜だってどこかで生きていないとも限らない。


【頼むよ2年生・・・大学入試まであと1年】
(過去1年半、諸君がどんな努力をしてきたかを問う)

 就職試験より約1ヶ月遅れて、大学の推薦入試を受ける生徒の準備が佳境を迎えている。私の所にも、小論文を見て欲しいと言って、3年生が訪ねて来る。過去問を見れば、大学で専攻する予定の分野と関係深そうな評論を読み、それについて意見を書くというごく一般的なパターンだ。
 残念ながら、お世辞にも立派な作文など書いて来ない。日本語の表記、表現はお粗末、内容も薄っぺらいなぁ、と思いながら、「ところで、君はこの分野についてどんな本を読んだことがあるの?」と尋ねてみると、案の定、1冊も読んだことがないのだそうだ。
 「すごっ!!!!」大学で専攻したいほど興味があるのに、それについて1冊の本も読まずにいられたというのは、私の感覚だと、もはや「特技」と言ってよいレベルの話だ。
 どこかで聞いたような話だ、と思う人は立派。昨年12月2日「学年だより№28」に、同じような表現で、まったく同じ話を書いたのである。「今年も結局一緒かよ・・・」私は心の中で舌打ちをする。私の所に来る生徒だけが特別に不勉強のはずはない。おそらく多くの(≠全ての)本校生が同様なのだろう。
 それでも、過去2年間、私が直接関わってこなかったと思えば、3年生についてはまだあきらめがつく。2年生諸君には、この「学年だより」だけでも、いろいろな提案や指示をし、話題を与えている。来年の今頃、諸君が上の3年生のような状態で私の所に来たら、「ふざけるな!この2年半何をしてきたのだ?!」と、私は切れるかも知れない(笑)。気をつけてくれ給へ。