謹賀新年 2024年元旦

 あくまでも石巻の天候について言えばだが、穏やかな年末年始になっている。我が家で元旦を迎えたのだが、初日の出がとても美しく見えた。さて、今年の年賀状文面は以下の通り。最後に1~2文自筆で書き添え、署名を入れる。

 

    謹賀新年  2024年元旦

 お元気で、よい新年をお迎えのことと存じます。
 おかげさまで、我が家も一同元気に過ごしております。娘は今月末から、息子は4月から、それぞれの進路に従って家を出ることになり、春から夫婦だけの生活になります。恐ろしいような、楽しみなような・・・。
 春に定年となりましたが、再任用教諭として石巻工業高校に残留しました。給料は半分になったのに、9年ぶりの担任(機械科1年生)として、悪戦苦闘の毎日を送っています。年齢のせいなのか、あるいは困った社会状況が私に影響してか、誇れるもののないさえない1年でした。夏に、テントを担いで1週間の北アルプス縦走(室堂~高天原新穂高)を実現できたのが、今年果たせた唯一の課題、といった感じ。公刊にこぎ着けた「文」の成果はナシです。
 世界はますます正義から遠ざかり、狂瀾怒濤の道を歩んでいます。欲望と、相対主義(顔色伺い)に支配されている限り、人類に未来はないようです。それに対して、何をすることもできない自分を哀しく思いつつ、グチをこぼすだけではない、小さくても一歩が踏み出せる年にしたいと思っています。
 ますますのご健勝とご活躍をお祈りしております。今年もよろしくお願いします。
(追伸:デジタル全盛の今、年賀状さえ奇異の目で見られかねない現実があります。私は紙の通信手段を愛します。私の趣味ですので、お返事は無理なさいませんように。)

 

 朝食後、家族全員で仙台市郊外にある母と妹が住む家に行った。午後から、息子と二人で近所の神社に初詣。いつもよりは多少お賽銭を奮発し、私は次の二つのことを祈った。

1:今程度の平穏の中で来年の元旦を迎えられますように。
2:私の現状認識や考えが間違ったものでありますように。

 決して書き間違いではない。確かに私は上のように祈った。
 現在、地球上では戦争と武力による威嚇とが続き、温暖化の進行にもまったくブレーキをかけられずにいる。私の現状認識はかなり悲観的である。また、そんな社会の中で私たちが日々どのような生き方をすべきかということについても、世の中の人々の考え方と私の考え方とはことごとく逆になる。
 人間というのは、たいてい自分の考えだけを正しいと思いがちで、私もそんな鼻持ちならない人間の一人である。しかし、もしも私の考えが正しいとしたら、人類には未来がなくなってしまう。ぜひ、私の考えが間違いで、世の中の多くの人々の考えが正しいものであって欲しい。そんな心からの期待を初詣の祈りに込めたのである。