戸籍の文字は70万種!?!

(1月25日付け「担任のお話」№33より)


【(全部じゃないけど)見たぞ、M3課題研究発表会】

 予定通り昨日の5~6校時、計測実習室で機械科3年生の課題研究発表会が行われた。発表したのは「鍛造班」「自転車・バイク班」「3D-CAD班」「資格取得班」の4つ。私は、自分の授業の都合で全ては見られなかったが、いかにも創意力が発揮されそうな前三者の発表を聞くことができた。
 もっとも、わずか1時間で3班の発表が聞けたというのは、決していいことではない。事前の案内では、各班15分の発表ということになっていたのに、実際には10分にも満たないので、準備時間等を含めても1時間で3班の発表が聞けた、ということだからだ。時間の短さは内容の薄さを意味する。実際に作業をして物を作ったことには意味があったとしても、「研究」という〈未解決問題の発見→解決〉という要素が見られなかったことは残念だった。「世界に羽ばたく技術者」となるはずのM1諸君には、ぜひ「本物の」研究をして、「新発見」や「新開発」を実現させて欲しいものだ、と思った。


表に1月16日「天声人語」を貼り付け。
平居コメント:東洋大学の『学生百人一首』が出ると、そのダイジェスト版のような天声人語が必ず出る。本体をじっくり読んでいる時間がないので(そもそも、なぜか石工には送られてきていないようだ。こんな学校初めて!短歌なんて石工生には無縁の世界、とバカにされているのではないか?)、私は毎年、この天声人語を楽しみにしている。今時の若者が、6万首以上の歌を応募するというのも嬉しいが、引用された短歌は、若者の文化と生活とをよく表し、しかも表現が新鮮ですばらしい!!同時に、57577という小さく簡単な枠で表現することの可能性や、短歌の力というものにも目を見開かされる思いがする。


裏面:1月5日付け毎日新聞「コモンエイジ」欄第3回を貼り付け。1面と3面にまたがる大きな記事で、かろうじてA3に収まるものを、B4に縮小して印刷した。見出しは、「DX阻む戸籍70万字」「文字って誰のもの?」「戸籍『標準化』移行 根強い反対」
平居コメント:日本人ほど多種多様な名前(姓名)を持つ民族は珍しい。この記事、単純に面白いというだけでもいいのだけれど、その奥深さには唖然とする。私は・・・ね。

(ブログ用の補足:日本人の戸籍に使われている漢字の種類が70万?!『大漢和辞典』に採録されている親字が5万1千ほどであることを思うと、70万というのはまったく異常な数だ。記事の右下隅に「わたなべ(人名)の「べ」に使われる主な文字」として、24種類の「べ」が載っている。常用漢字は「辺」と「邊」だけだ。一部の生徒は、「間違い探しだ」と言いながら、大喜びで文字毎の違いを確認していた。これが「主な」だということは、いったい全部だと何種類あるのだろう?近年「キラキラネーム」というものがしばしば話題になるが、名前だけの問題ではないらしい。小さな違いを無視して、標準文字に統合しようとすると、名前の主から強い反発があって、統合は困難だという。しかし、その人の名字を表す以外に使い道のない漢字というのを許していいのだろうか?そうなると、文字というより絵だ。多様性を許容することも必要かも知れないが、それを全面的に認めて社会的な効率を完全に無視することはよくない。絵ではなく、文字と認められるものには、伝達手段としての社会性が必要だと思うので、各自が独自性を示すために作ったような文字は統合して、せいぜい大漢和辞典の親字の範囲に止めるべきだと思う。いや、それでも多すぎるかも知れない。人間が扱える文字というのは、せいぜい1万くらいにも思う。)


*他の記事は省略