ドンピシャ満開!・・・ラボ兼お花見

世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平


 昨日は、ラボ・スペシャル(第32回)兼平居家花見であった。
 ラボと花見を分けて開催するのが、日程的にも作業的にも厳しかったので、兼ねて我が家で開催することにしたのである。
 ラボの準備は通常2ヶ月以上前に行う。ラボの時に次回の案内をするためである。しかし、花見と兼ねることにしていた今回は、1ヶ月ほど前の準備となった。それでも、1ヶ月前に桜の開花時期を見定めるのは難しい。いくらメインはラボ、花見はついでだとしても、満開であるに越したことはない。とは言え、先々週末、先週末はいずれも私が不都合。そのため、開花や満開がいつかとは関係なく、どうしても4月13日以外にない、ということで、昨日の設定となった。
 今年は1~2月が暖冬だったので、いつになく早く開花するだろうと思われていた。ところが、3月半ばくらいから寒い日が増えて雪も何度か降り、桜の開花予想はしばしば変更された。そして、昨年よりむしろ遅くなりそうだった。いったいいつ咲くのだろう?今年ほど、桜の開花時期についてやきもきした年というのはない。もちろん、そんな時に繰り返し頭に浮かんでくるのは、冒頭に書いた業平の歌である。私は決して桜の花ごときに振り回される人間ではないつもりだったが、今年に関して言えば、まるで業平の術中にはまったかのようだ。なんだか少し悔しい。
 そして昨日、なんと我が家はドンピシャ満開!!加えて快晴で春(初夏?)の陽気。午前中は少し蒸し暑くすら感じられ、半袖Tシャツで過ごしていたが、午後になると爽やかとなり、海もくっきり見えるようになった。これ以上というのがほとんど考えられないほどのお花見日和となったのである。
 なにしろ会場が我が家なので、新聞で宣伝するわけにもいかない。参加者を、主催者を除いて20名以下にすべく、私が恣意的に選んだ「ラボ常連さん」だけに案内を送ったところ、一般参加19名(うち1人はお花見だけ)+講師+主催者と家族4名=24名での花見となった。
 今回の講師は、「ゆずりは書房」店主猪股剛氏、演題は「古書店主の見た本の世界」。猪股氏は、本好きが高じて古書店を開いたという人物である。最初は神奈川県、そして6年前、故郷である宮城県石巻市に移転してきた。
 氏のお話は大きく二つに分かれる。一つは古書店についてであり、もう一つは本についてである。新刊書を売る普通の書店と古書店はどう違うのか?古書店はどのように仕入れをしているのか?本の価値はどのようにして決まるのか?更には出版の歴史といったことを、持参した貴重な本やその他の印刷物(1724年刊のロック『市民政府論』、平沢貞通の判決書など)を例に話して下さった。古書店というのは、江戸時代の本屋仲間の名残を留め、本当の価値(需要)を絶えず探りながら営業をしているという点で、とても興味深い存在だと思った。それだけに、古書店主の本に関する蘊蓄とはなかなかのものである。手に持って来られる範囲ということで、20冊ほどの本だけが例として示されたが、もっと多くの本の前で、後から後から本を手に取りながら、この方の解説を聞いたら面白いだろううなぁ、と思った。
 終了後は完全に「お花見」。乾杯直後、隣の家の桜が窓一杯に見える和室に移動してしまった人などもいて、あまり「みんなで一緒に」という感じにはならなかったが、5時間ほど酒宴が続いた。今回はお花見ということで、「差し入れ歓迎」としていたら、すさまじい量の飲食物が持ち込まれた。半分も食べられない、飲めないだろうなぁ、と思っていたら、最後にはほとんど残っていなかった。恐るべし。