新聞のふりがな

 昨日の毎日新聞に「大中恩さん、生誕100年」という記事が出た。小国綾子という人が書いている記事だ。
 私は知らなかった、もしくはすっかり忘れてしまっていた人だが、作曲家で、代表作は「さっちゃん」「いぬのおまわりさん」などで、曲だけなら知らない人のいない作曲家だ(1924~2018年)。
 さて、今日の本題は、そんな大中恩のことではなく、「ふりがな(ルビ)」の問題である。記事自体は面白いなと思って読んだのだが、話の中心にある「大中恩」という人の名前の読み方が分からない。「おおなかおん」と読むのが普通のようには思うが、「だいなか おん」かも知れないし、「だい ちゅうおん」という中国系の人かもしれない。
 日中、突然その記事のことを思い出し、そう言えば「大中恩」ってどう読むんだろう?と思ってネットで検索してみると、なんとびっくり、「おおなか めぐみ」と読むのだそうな・・・。しかも男の人である。どう考えても、元々知っていたのでなければ、絶対に読めない名前だ。
 高校では、今や読めない名前などまったく珍しくない。例を挙げるのはさすがにはばかるけれど、両親が知恵の限りを傾けてつけたと思しき斬新な名前が世の中にはあふれている。人名に使っていい漢字は決まっているが、読み方には制限がないというのがよくない。「玲」を「れ」、「朝」を「あ」など、読み方の一部だけを切り取って使っている例が多いような気がする。いや、今の世でなくとも、日本の地名人名は本当に読みにくい。固有名詞は全てふりがなをつけてくれないと困る。
 大中恩に関する毎日の記事は、全部で1000字ほどのさして大きくもない記事で、使われている漢字も至って平易なものばかりであるが、その中でふりがなが付いている漢字はたったの一ヶ所、「切磋琢磨」だけである。えっ!?切磋琢磨よりは大中恩だろう、と思う。
 まぁ、「大中恩」にふりがなが付いていなかったおかげで、この記事がひときわ印象に残り、記事の範囲を超えて大中恩について知ることが出来たのはよかったのだが、それはやっぱり「ケガの功名」。決して褒められたものではない。