2014-01-01から1年間の記事一覧

止まった時計は24時間に1度必ず合う

9月19日から2日間、伊福部昭という作曲家についての簡単な感想を書いた。8月30日にEテレで放映された「伊福部昭の世界」という番組に触発されたものである。その録画は、その後も繰り返し見たし、本やらCDやらをせっせと買っては、ほとんど中毒の…

イスラム国と私戦予備罪

今月の初めだったかに、北海道大学の学生がイスラム国の戦闘員になるため、シリアへの渡航を企てたということで警察の捜査を受けた、という話が、けっこう大きな話題となった。今時の若者には、これほどまでに「戦争」というものに対する想像力が欠如してい…

パンを抱く

昨日は暖かかったのに、今日は突然寒い。加えて、「木枯らしもどき」の強風が吹いている。蔵王の初冠雪のニュースもあったし、本当に冬が迫っているんだな、と思う。 以前書いたとおり(→こちら)、我が家の冬は寒い。そんな我が家の冬の風物詩(?)に、「…

バランスが大事

今日は文化祭の代休日。 日本シリーズが始まり、我が家の小さな野球狂は、9時までには寝なさい、といくら言っても、テレビにかじりついて離れない。厳しく叱るようなことでもないので、黙認の形となる。テレビが付いていると気になるので、私も動けない。家…

大学に「普通学部」はない

秋は忙しい。昨日は文化祭。そして今日は、学習塾協会主催の進学相談会で、古川に行っていた。天気がよかったことが災いしてか、会場に来た中学生は、わずかに65名だったが、そのうち25名がじっくりと宮水の話を聞いてくれて、私としても新鮮な気分にな…

リニア新幹線とカジノ法案

リニア新幹線の建設に認可が出た、というニュースが流れたのは、金曜日のことである。同じ時期、カジノ法案についての議論が本格化したとかで、こちらもあちらこちらでの報道を目にした。リニア新幹線に関しては、JR東海が環境影響評価書を提出してからわ…

「市街地構想見直せ」のあっぱれ!

今日の『毎日新聞』県内版で、「市街地構想見直せ 〜農業男性、県を提訴」という見出しが目に止まった。読めば、宮城県の山元町に住む菊地義光さん(67歳)という方が、町が水田を収容して新市街地として整備しようとしている事業について、県に事業認可の…

昔に少し戻った登山大会

金曜日から3日間、登山の新人大会というのに行っていた。場所は大東岳(1356m)とその周辺である。麓には二口(ふたくち)温泉という温泉がある。いや、「あった」と書かなければならない。そこにあった唯一の宿である「磐司山荘(ばんじさんそう)」…

「平和賞」の発表を前にして

今週はノーベル・ウィーク。物理学賞に日本人3人が選ばれて、大変な騒ぎになっている。私は、受賞者が日本人であるかどうかは気にしないことにしているので、殊更にはしゃごうとは思わない。だが、日本人がノーベル賞を受けることになると、受賞者のコメン…

登山という「遊び」の心得

御嶽山が噴火した時、だいたい予想は付いたのだが、その後、火山の噴火予知や登山者の安全対策に関しての議論があれこれと聞こえてくる。ご苦労なことだ、と、私は例によって斜に構えて見ている。地震や火山噴火の瞬間がいつかということを予測することがい…

小江戸・川越

週末、いろいろと用事があって、首都圏に行っていた。土曜日の夜を過ごしたのは、埼玉県の川越(かわごえ)という所である。合唱団の仲間であり、大学では後輩にも当たる友人が住んでいるのだが、今まで行ったことがなかったので、それなりの観光地でもある…

秋の宮水

宮水では、昨日から缶詰の製造が再開された。「再開」というのは、もちろん、東日本大震災で食品加工場の機器の大半が使用不能となり、この間、機器の入れ替えや修理、その他の整備があって、干物など、機器類をほとんど使わないものしか製造されていなかっ…

ミュンヘン・バッハ管弦楽団

今日は、ミュンヘン・バッハ管弦楽団の演奏会に行った(中新田・バッハホール)。このオーケストラについては、昨年7月に創設者であるカール・リヒターについて書いた時に、少し触れた(→こちら)。リヒターが死んだ直後の1981年5月、仙台でその演奏を…

「心肺停止」と「容疑者」

御嶽山が噴火した。2日経って、今日の各新聞1面には「4人死亡、心肺停止27人」という大きな文字が踊っていた。 「心肺停止」というのは、文字通り「心臓も呼吸も止まっている」という意味であろうが、どうも比較的最近になってからよく目にするようにな…

2軍で育つ「夢」

6月15日に楽天の2軍戦(対日本ハム)を見に行ってご機嫌になった話を書いた(→こちら)。その際、「都合が付けば、これから時々2軍の試合には足を運んでもいいな、と思いながら、いい気分で帰ってきた」と結んだ私は、有言実行、8月24日のロッテ戦、…

仙台フィルの第285回定期演奏会

昨日は、仙台フィルの第285回定期演奏会に行った。指揮は下野竜也、ソリストは曽根麻矢子、曲目はJ・S・バッハ(ベリオ編曲)「コントラプンクトゥス第19番」、同「チェンバロ協奏曲第1番」、そしてブルックナーの交響曲第0番。2011年5月に第…

「子供の貧困」について

8月30日に政府が「子供の貧困対策大綱」なるものを閣議決定して以来、子供の貧困問題についての報道を目にすることが多い。今日も、NHKが「クローズアップ現代」でこの問題を取り上げていた。少し見ていたのだが、あまり感心しない。番組の問題を念頭…

私の「発達障害」

本当に気持ちのよい晴天が続く。特別な用事もなく、家にいた時間の長かった週末、家の内から真っ青な太平洋を眺め暮らした。 娘の友人が2名、泊まりがけで遊びに来ていた。郊外の仮設住宅から通っているので、日頃、放課後や休日に遊ぶことができない。小学…

伊福部昭礼賛(2)・・・A・チェレプニンのことも

伊福部昭と言えば、誰しも思い浮かべるのは映画「ゴジラ」の音楽だろう。番組でも、なぜ伊福部がこの映画に曲を付ける気になったかということを始め、先行作品との関係、フリギア旋法の使用に込められた思いといった様々な角度から論じられていた。だが、や…

伊福部昭礼賛(1)

1993年夏、私は北京にある中国芸術研究院音楽学研究所図書室という所に、10日間くらい毎日のようにお邪魔をし、あれこれと貴重な文献をコピーしてもらっていたことがあった。その時、司書の方から、「日本人作曲家の資料目録を作っているのだが、日本…

宮城蔵王の歴史考

昨日の続きみたいな話。 Eさんの所で蔵王の古道の話を伺っていると、Eさんは、古道の場所を特定するための資料だとおっしゃって、古い蔵王の地形図のコピーを出してきてくれた。黒1色刷の5万分の1地形図で、もちろん、まだエコーラインは開通していない…

蔵王の古道復元

3連休後半の2日間、蔵王へ行っていた。前任校の「山小屋ホームルーム」という行事(山岳部主催の一般生徒向け山小屋体験宿泊会)があり、依頼を受けて、というよりは、「3年生が卒業前の最後の機会に平居先生に会いたがっているよ」と言われ、では3年生…

食糧問題についての自説を問い直す

浅川芳裕『日本は世界5位の農業大国』(講談社+α新書、2010年)という本を読んだ。人に「こんな本があるよ」と言われて見ると、副題として「大嘘だらけの食糧自給率」と書いてある。日頃から、私が最も強い問題意識を持っているのは「環境」と「食糧自…

大学入試の「原点」

昨日は、9月8日の『読売新聞』「変わる大学入試」を読んで書き始めたものの、記事の具体的な部分には触れずに終わってしまった。 さて、『読売』には、桜美林大学教授・田中義郎氏の意見が掲載されていて、そこには次のようにある。 「面接や書類選考によ…

100%はない・・・大学入試について

一昨日の『読売新聞』で、大学入試に関する特集記事を読んで、古くて新しい「入試」の問題について、少し触れておこうと思うようになった。 私は「共通一次」の3回生だ。「共通一次」によってマークシート方式というものが一般化し、同時に、こんな試験を受…

恐くて、楽しい沢登り・・・マスコミの問題も含めて

昨日は、前任校の山岳部の「沢基礎訓練」というのに付き添って、大行沢(おおなめさわ)という所に行った。特に今年は気温が低めなので、9月に入ってから沢に行くのは嫌だなぁ、と思っていたところ、仙台でも久々に真夏日となることが予報された絶好の「沢…

内閣改造のおぞましさ、または「環境問題」

第2次安倍改造内閣、だそうである。1人の閣僚も辞任することなく、600日以上政権が続いたというのは戦後初めてらしいので、その間に行われたことがいかに破廉恥であったとしても、それはそれ、これはこれで評価をしなければなるまい、と思う。安定を望…

「環境優先」の価値観を・・・今日の『河北新報』

今日の『河北新報』「持論時論」に私が書いた文章が載ったので、河北新報社の許しを得て、この場に転載しておく。今までこのブログを読んで下さっていた方は、過去の記事と内容的に同じで、表現はつぎはぎだ、というのがすぐに分かるであろう。なぜ、このよ…

「エコな気分」から抜け出すために・・・

今年1月に発電を開始した我が家の太陽光パネルについて、7月に県の補助金申請というのをした。申請書類の中に、「わたしのe行動(eco do!)宣言」登録用紙というのがあった。「持続可能な社会を築き、将来世代に豊かな環境を残していくため」自分が…

これは酷だ・・・新設医学部への文科省条件

先日、東北に設置される医学部の設置者が決まったという話から、医療過疎の問題について少し書いた。私は、医療過疎の解決のためには、医師の増員よりも偏在解消方法を考える方が先だ、という立場である。 さて、今日の『河北新報』のトップニュースは、文部…