2019-01-01から1年間の記事一覧

平石氏にエールを!

今シーズン楽天の監督だった平石洋介氏が、楽天を退団し、ソフトバンクのコーチに就任するという情報がネットで流れたのは、先月の25日頃だっただろうか。ところが、不思議なことに、ネットでは多くの情報が飛び交いながら、新聞やテレビではそんな報道が…

拙著についての二つの書評

拙著『中国で最初の交響曲作曲家・冼星海とその時代』が出てから、もう少しで4ヶ月になる。当初から予想していたことだったが、おそらく売れていない。学術や出版の事情に詳しい人達は、「よくこの本3500円で出たね」と言ってくれるが、世間一般からし…

「本を読む」or「本に読まれる」

(10月8日付け「学年だより№25」より②) 少し前の話になるが、9月の丸々1ヶ月間をかけて、私は普通科の夏休み課題「読書記録」(=簡単な感想文)約300枚をせっせと読んだ。私は、諸君の感想以上に、本の選択に関心があった。もちろん、千差万別な…

わざわざ見に行く

(10月8日付け「学年だより№25」より①) 今週、塩釜神社は菊祭りだ。それに合わせて(?)、ついに社務所の屋根の葺き替え工事が終わり、覆いや足場が取り外された。丸2ヶ月ぶりのことである。御文庫と違って、こちらは銅板葺き。古い日本建築に似合わ…

犠牲者名を残す愚

今日は、勤務先の高校が「芸術鑑賞会」だった。なにしろ、県内最大の公立高校。学級減の影響で、私が赴任した3年前よりは100人近く減ったとは言っても、生徒数は1100人を超える。教員を入れると1200人だ。全員を収容できるホールというのが、宮…

グリーンランド争奪

アメリカ大統領が、パリ協定からの脱退を表明したことが、それなりに大きなニュースになっている。何を今更、という気がなきにしもあらず。彼は以前から、環境問題には冷淡なのである。と言えば、語弊があるかも知れない。もうかることしか視野に入っていな…

文化勲章は「名誉」で十分

今日は文化の日。もちろん、祝日であるという以外、私には何の関係もない。私は、日頃から十分に文化的な生活をしている(笑)。 昨日、朝日新聞「ニュースQ₃」欄で、「文化の日」を「明治の日」にしようという動きがあるという記事を読み、初めて知ったわ…

石巻でも水害!!

週末たびに雨が降っていたから、今日からの3連休、予報が3日とも「晴れ」だというのは、なんだか新鮮な感じがする。山は紅葉の季節でもあるし、どうせ家族は遊んでくれないし、以前からの懸案だった「六十里越え」(山形県)でも歩きに行こうかなぁ、と思…

USJには行かないんですかっ!?

(10月30日付け「学年だより№24」より ②) 先週の金曜日だったか、廊下で私は突然3名の女子生徒に取り囲まれた。たいそうご立腹である。 Q「せんせっ!修学旅行についてのプリント見ましたよ。USJには行かないんですか?」A「普通科は今から考える…

読書の始まり

(10月30日付け「学年だより№24」より ①) 昨日の午後、肉を焼くいいにおいが漂ってきた。8、9組だ。そういえば、同時刻に1、2組も焼き肉。先週は4、5組がやっていた。「食欲の秋」である。 秋と言えば、「読書の秋」でもある。一昨日配られた「…

すてきなショパンと怖いベートーベン

我が家のすぐ下、東日本大震災の津波に襲われ、その後火事で焼けた石巻市立門脇小学校を長らく覆っていたカバーが外された。この校舎は、震災遺構として部分保存が決まっている。そのための工事を始めるに当たって、全貌を公開するために覆いを外したのだ。 …

戦争から環境へ

昨秋、大阪から亡父の友人夫妻が私の母の所に遊びに来た。もちろん、私も幼い頃から知っている、世話になった方である。母の他、宮城県在住の旧友と松島に泊まるというので、学校帰りに表敬訪問した。その際、吉田裕『日本軍兵士』(中公新書、2017年)…

人類初の宇宙遊泳

(10月21日付け「学年だより№23」より) 1969年7月20日、人類は初めて月面に降り立った。今年はそれから50年目に当たる。7~8月、私はそれにちなむ幾つかの特集番組を見た。いずれも人間が一つの限界を突破し、新しい領域に踏み込んだこと…

「フラの歴史」または「人文知の価値」・・・ラボ第20回

昨日は「ラボ・トーク・セッション」の第20回であった。講師は石巻専修大学助教の目黒志帆美氏、演題は「フラの歴史から浮きあがるアメリカの姿」。なにしろ、社会人生活を経て大学院に進まれた方なので、大学院を出てから4年というイメージの「若さ」で…

私に相談するのはやっぱり間違い

(10月17日付け「学年だより№22」より②) 先日の普通科「現代文」の考査では、時間が余ってしまった時のため、解答用紙の最後に「授業についての感想、要望などを自由に書きなさい」という欄を作っておいた。 時間的に厳しかったと見えて、書いてくれ…

新しい檜皮葺の屋根

(10月17日付「学年だより№22」より) 相変わらず、私は毎日、塩釜神社を経由して学校に通っている。その塩釜神社では、9月上旬以来、御文庫と社務所の屋根の葺き替え工事をやっている。今月に入って間もなく、まずは御文庫の工事が終わり、覆いが取…

教員の専門性

今日の毎日新聞「教育の窓」欄に、「教員を魅力ある職業に」という記事が出た。OECDのシュライヒャー教育・スキル局長が来日して、パネルディスカッションを行ったことに基づく記事だ。 棒グラフが添えられている。「教師の専門性が社会で評価されている…

相変わらずもやもや

我が家では、ほぼ当初の予想どおり、台風によるダメージはほとんどなかった。風雨はそれなりに激しかったが、その音で眠れないということはなかった。しかし、朝起きてみると、眼下に広がる南浜町(建設中の復興祈念公園)が海のようになっていた。防潮堤の…

気付けよ、人間!

台風19号が接近しているという今、自宅にいる。 どうしてこんなことをわざわざ書くかといえば、本当は別の所にいる予定だったからである。毎年10月の第2週末(金~日)は、登山の新人大会なのである。今春、勤務先の学校では山岳部が廃部になったにもか…

嗚呼、金田正一!・・・または宮城球場の思い出

一昨日、金田正一が死んだ。私がわざわざ書くほどのことでもない。どの新聞でも、2面、3面を使って大々的に報じていた。そりゃぁそうだろう。投手の起用方法がすっかり変わってしまったということもあって、400勝、5526投球回、4490奪三振など…

知識の身に付け方

(10月7日付け「学年だより№21」より②) 日頃、高校生の「無知」に驚くことが多い。1年生はまだ仕方がないかな、とも思えるが、入試や就職対策で接する3年生の「無知」は絶望的だ。という訳で、考査の採点をしながら思ったこともあり、どうすれば知識…

使いこなせるようになるまい

1週間サボっていた。理由は特にない。気分の問題である。 思えば、はるか10年以上前に、当時の生徒の強い勧めによってこのブログを開設した当初は、学級通信を公開することだけを目的とし、その学級通信も、全然違う話題が幾つか盛り込まれているものだか…

世界の若者は動く

(9月30日付け「学年だより№20」より) 9月23日(月)、アメリカ・ニューヨークの国連本部で、「気候行動サミット」という国際会議が開かれた。子ども・若者がテーマだったわけでもないのに、これほど若者が注目を集めた国際会議は珍しい。 本会議で…

単純平易の恐ろしさ

今日は娘とアニエス・ルテステュのバレエを見に、多賀城まで行った。2013年に引退したパリ・オペラ座のエトワールである。その世界においては神のような存在であるが、なぜかこの東北の田舎町で「変貌する美」と題した公演を行ったのである(日本で3公…

1字の違い

日曜日に、車で娘と買い出しに出る。我が家から数分、大街道というところを通る時、いつも娘がクスクス笑う。そこには1軒のコインランドリーがあるのだが、名前が「インコ・ランドリー」なのだ。 おそらくオーナーは、「コイン」と「インコ」が同じ音からで…

来るよ、宮城にも・・・

千葉県を襲った台風15号の被害の大きさには唖然とする。台風に襲われた頃はまだ暑かったし、その後、なぜか強い雨が降ること(泣きっ面に蜂)もしばしばで、被害者の方々は大変だろうなぁ、と思いながらニュースを見ている。関東地方に上陸する台風として…

「でっかい教師」になるために

昨日は組合主催の「秋の教育講座」で、仙台に行っていた。この手の自主研修会(組合では教育研究集会、略して教研集会と言う)が近年甚だ低調であることに対する危機感については、毎年のように書いている(→例えば)。昨日も同様。回復の兆しは一切なく、折…

幻の新関温泉(資料3)

田口三郎著『蔵王登山案内』(山形山岳研究会、1919年=大正8年6月)より 第3篇「蔵王火山彙」第3章「大正7年の御釜火口湖の活動」 (前半略)△御釜の減水混濁(前半略)御釜の活動増進して瓦斯・蒸気を放散すると共に、他方新関等に於て温泉活動力…

幻の新関温泉(資料2)

(平居注:「浴法」「地理」「位置」省略) 「気候」土地高峻、境区幽僻なるが故に、夏季は大気清涼にして、三伏酷烈の時すら朝暮は70度に騰ることなく、日中と雖も尚ほ85度に過ぎず。故に、この地夏夕蚊帳を用ひるの煩ひなし。積雪は最深2尺に及び、毎…

幻の新関温泉(資料1)

7月に「幻の新関温泉」という記事を4回連載した。新関(にいぜき)温泉とは、明治から大正にかけてわずか10年ほどだけ宮城県側の蔵王に存在した、正に「幻」の温泉である。とは言え、実は私が書いた部分というのはごくわずかで、仙台一高山の会の志鎌良…