音楽

ヴァイオリン伴奏付きピアノソナタ(?)

4月16日に、石田泰尚というヴァイオリニストのリサイタルに行った話は既に書いた(→こちら)。その時のプログラムに、モーツァルトのヴァイオリンソナタ第25番ト長調というのがあった。演奏会が終わってから、そう言えば、モーツァルトのヴァイオリンソ…

Dona nobis pacem!

マリウポリのアゾフスターリ製鉄所の地下に立てこもっていたウクライナ兵(アゾフ連隊)が投降した。これによって、多くのマスメディアは「マリウポリ陥落」と大々的に報じていたが、私はとりあえず安心した。ロシア軍に包囲されて、重火器もなく、武器弾薬…

「能」の壁

今日は、「第24回仙台青葉能」というのを見に、仙台まで行っていた。能を見に行ったのは、おそらく学生時代以来、35年余りぶりとなる。なぜ、突如、能を見に行こうなどという気になったのか・・・ちゃんとしたいきさつがある。 私が「私は能楽に冷淡では…

東洋文庫と仙台フィル第355回定期

昨日は、午前中に多賀城市の東北歴史博物館(歴博)へ行き、午後は、仙台フィルの第355回定期演奏会に行った。 歴博の特別展は「知の大冒険 ― 東洋文庫 名品の煌めき ― 」。東洋文庫とは、東京にある民営の東洋学文献センター(図書館兼博物館)である。…

石田泰尚!!!

ウクライナの人に申し訳ないなと思いながら、今日は、午後から仙台に石田泰尚のヴァイオリンを聴きに行っていた。石田泰尚との出会いは衝撃だった。3年半ほど前の話である(→その時の記事)。うかつにも全然知らない演奏家だったのだが、正にショックを受け…

情報は発信者の価値観を表す

このブログに書いている私の記事も含めて、あらゆる情報は、その情報を発信した人の価値観を表す。「全てを書く」ことが絶対に不可能である以上、どの情報を残してどの情報を捨てるかという判断がなされた結果として、整理された情報(主に文章)は存在する…

究極の!!幻想交響曲

昨日は、仙台フィル第353回定期演奏会に行った。指揮は高関健で、曲目は矢代秋雄のピアノ協奏曲(独奏:河村尚子)とベルリオーズの幻想交響曲。出演者と言い、曲目と言い、これ以上はない面白い演奏会である。今年度、仙台フィルの演奏会に1回だけ行く…

自転車で都響!

昨日は、久しぶりで雪が積もった。5㎝くらい。今日、牧山に走りに行くのは厳しいかな、と思ったが、晴れているし、あまりぬかるむ道でもないので行くことにした。珍しく、息子が一緒に行くと言う。今日はスケジュールいっぱいで忙しいので、初めて、家を8…

NHKのファインプレー・・・マタチッチのブル8

11月来、ちびちびと書き続けてきた論文を、先週の半ばに提出した。査読で何を言われるかは知らないが、とりあえず爽快感がある。3年生が最後の考査期間に入り、授業がないということも手伝って、なんとなく気分的にのんびりだ。 というわけで、その後、わ…

JAZZの魅力(2)

二つ目は「KING SIZE!」(1958年)。 演奏しているのは、アンドレ・プレヴィンとレッド・ミッチェル、フランキー・キャップの3人。プレヴィンはドイツ出身のアメリカ人で、言わずと知れた大指揮者。作曲家でもある(バーンスタインと同じだ)…

JAZZの魅力(1)

記憶が定かでない点も多いのだが、11月だったか12月だったか、Eテレの番組で、ジャズピアニストのビル・エバンスを取り上げていた。レギュラー司会者の清塚信也とゲストの小曽根真が、ビル・エバンスの音楽がいかに美しく、魅力的かということを時折ピ…

還暦の小曽根真

朝起きてカーテンを開けたら、外は雪景色だった。今日は寒くなるぞとは聞いていたが、まさか積雪があるとは思わなかった。雲が多く、雪がまだちらついてはいるものの、陽が射していてとてもきれい。積雪とは言っても、1㎝くらい。かろうじて白くなっている…

日和山の鳥居

今週の日曜日、例によって牧山に走りに行き、例によって帰りに日和山に寄り道したら、いつになく多くの人が、神社の方からぞろぞろと歩いてくる。はっぴを着た人も多い。何があったのかな?と思って見ると、鳥居の落成式が行われたらしい。ちょうど式が終わ…

やっぱり「英雄」!

毎日、本当に気持ちのよい秋晴れが続いている。天気予報を見ながら、日本海側に曇りや雨のマーク、太平洋側に晴れマークがずらり並ぶのを見ると、冬の到来を実感する。申し訳ないけど、やはり太平洋側はいい。昨晩の月食も美しかった。 こんな日は「さあ、牧…

ハイティンク

オランダの指揮者ベルナルド・ハイティンクが死んだ。92歳。その数日前には、スロヴァキア出身のソプラノ歌手、エディタ・グルベローヴァが死んだ。こちらは74歳。どうも人が死ぬ話が多い。 グルベローヴァは、私の中でも有名だった割に、我が家で録音を…

老大家の音楽

昨日は、仙台フィルの第349回定期演奏会に行った。2月以来の仙台フィル。私としてはかなり「久しぶり」だ。 プログラムは、ブラームスのピアノ協奏曲第2番と交響曲第2番。指揮は飯守泰次郎、ピアノは小井土文哉。私は小井土文哉とピアノ協奏曲に引かれ…

オアハカのマリンバ

日曜日の午後、家族で「石巻復興祈念音楽会」というのに行った。会場は、今春開館した新しい石巻総合文化施設(マルホンマキアートテラス)である。いつぞや書いたことだが、本当は3月の下旬、野村萬斎の狂言公演をこけら落としとして開館することになって…

高橋竹山

8月7日、今月もまたラ・ストラーダに映画を見に行った。今月の演目は「津軽のカマリ」。津軽三味線の巨匠、いや、名人である初代高橋竹山の生涯を描いた作品だ。「カマリ」というのは津軽弁で「匂い」を意味する。竹山が生前、「それを聴けば津軽のカマリ…

炎のジプシーブラス

久しぶりに青空を見たような気がする。空だけでなく、心も晴れるような気がする。いいものだ。それもあって、久しぶりに牧山(→解説こちら)に行った。実に1ヶ月ぶりのことである。この間、走るために1時間半あまりの時間を取ることが難しかったり、天候の…

ザルツブルグのセル

昨日は、母の生活支援のため仙台市郊外に行く際、車の中で1969年8月24日のザルツブルグ音楽祭のライブCD(ORFEOから出ている輸入盤)を聴きながら行った。これも、私がひときわ気に入っている「愛聴盤」というやつである。 演奏しているのは、…

ガーディナーは「クリオラ」

週末に母の生活支援に行くということ、その際、やむを得ず車を使うので、のんびりと音楽を聴く貴重な時間になっていることは、少し前に書いた。 キングズシンガーズの前の週、私は、ジョン・エリオット・ガーディナーによるバッハ「クリスマス・オラトリオ(…

キングズシンガーズのビートルズ

母親の生活支援で、だいたい毎週末、仙台市近郊にある実家を往復しているという話は何度か書いた。自家用車禁止派の私としたことが、本当にやむを得ず車を利用しているということも書いた。 石巻と実家との間には、三陸自動車道、仙台東部道路という立派な道…

天地創造とフェスティバル・エクスプレス

4月17日に続き(→その時の記事)、昨日は朝から映画を2本見た。「映画を2本」は正確ではない。午前中に見たのは、1986年にバーンスタインがハイドン「天地創造」を指揮したライブ録画である。 バーンスタイン+バイエルン放送響の「天地創造」は、…

ヨハネ受難曲

先日、浅川保先生の著書に触れた時(→こちら)、「ちょっと骨の折れる本に取り組んでいた」ため、なかなか先生の本を読むことができなかった、というようなことを書いた。その「骨の折れる本」とは、私の研究に関わる中国の文献などではなく、礒山雅『ヨハネ…

老大家よりも若者!

今日は、わずか2週間ぶりで仙台フィルの演奏会に行った。もちろん、定期演奏会ではない。山田和樹指揮の特別演奏会で、「ノスタルジア」というタイトルが付いている。 定期演奏会に行ったばかりだし、チャイコフスキーの4番というのがあまりにも仰々しくて…

仙台フィルとその後の地震

昨夜の地震は大きかった。しかも、何の前触れもなく突然揺れ始めた。長い地震だった。地盤強固な日和山に建つ我が家は、東日本大震災の時でも、被害がほぼゼロ(本が数冊落下、外壁に髪の毛ほどのひび2本)だったので、あまり心配はしなかったが、それなり…

古典の誕生

先々週、娘の通う学校でクラスターが発生し、娘も濃厚接触者に指定された都合で、2日間仕事を休まざるを得なかった話は既に書いた(→こちら)。その2日間、自分としてはあると思っていなかった不意の休暇である。しかも出歩けない。さて、この機会に何をし…

薄氷を踏んで・・・仙台フィル第342回定期

今日はイズミティ21で行われた仙台フィルの第342回定期演奏会に行った。え?昨日、新型コロナウイルス感染の危険があるということで自宅待機と書いたばかりなのに・・・?まったく、涙ぐましい努力をして、なんとか演奏を聴くことが出来たのである。ま…

改めてベートーベン

今年はベートーベンの生誕250年、ということについては、既に何度か触れた。9月の仙台フィルの定期演奏会「ミサ・ソレムニス」など、楽しみにしていた演奏会は続々と中止になったが、NHKが「ベートーベン250プロジェクト」という番組シリーズを放…

ベートーベンの誕生日

(12月16日付け「学年だより№73」より①) 今年は、「楽聖」ベートーベンの生誕250年という記念の年だった。そして今日こそが、その誕生日。 昔、アインシュタイン(科学者)とベートーベン(芸術家)はどちらが偉いか?という議論を聞いたことがあ…